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コラム】金正恩の民族・統一否定に韓国の主体思想派は「メンタル崩壊で沈黙」

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中央日報日本語版

北朝鮮に封建的3代世襲体制を構築した左から金日成主席、金正日国防委員長、金正恩国務委員長。[中央フォト]

 

南北関係が険悪になるたびに北朝鮮は「ゆでた牛の頭」など猟奇的な言葉で脅迫し、多様な手段と方法で武力挑発して韓半島(朝鮮半島)平和を威嚇した。

 

 

ところが北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の年末年始の「爆弾発言」は

過去とは次元が全く異なり非常な対応が必要だ。

 

 金委員長は昨年12月30日の労働党総会で

「北南関係は、これ以上、同族関係、同質関係ではない

敵対的な両国関係、戦争中にある両交戦国関係に完全に固着された」と断言した。

 

15日の最高人民会議施政演説では

わが共和国の民族史で「統一」「和解」「同族」という概念自体を

完全に除去しなければならない」とした。

 

 金委員長は既存の北朝鮮憲法にある自主・平和・民族大団結の表現を削除し、今後憲法に

「大韓民国を徹頭徹尾、第1の敵対国」として明記するよう指示した。

これに伴い、

祖国平和統一委員会、

民族経済協力局、

金剛山(クムガンサン)国際観光局

などの対南機関をなくした。

 

 北朝鮮のこうした措置は

1972年の7・4南北共同宣言の

自主・平和・民族大団結の3大精神を毀損したものと

北朝鮮専門家らは指摘する。

 

それだけでなく「双方の関係は国と国の間の関係でなく統一を指向する過程で暫定的に形成される特殊関係」と規定した1991年の南北基本合意書の平和・統一・和解の原則を全面否定したと解釈する。 「民族と統一否定」発言に接した北朝鮮住民と親北朝鮮勢力はいつになく混乱しているだろう。

 

 

金日成(キム・イルソン)主席以来続いてきた北朝鮮政権の宣伝・扇動方向を完全に変える「急な方針変更」が起きたためだ。

 

日本の朝鮮総連事情に明るい高位消息筋は

「これまで北朝鮮の指針により統一運動をしてきた

朝鮮総連が『もう統一はしないということなのか。

われわれにどうしろと言っているのか』とし

あわてて統一戦線部に問い合わせたが何の回答も聞けずにいる」と伝えた。

 

 韓国国内の従北主体思想派が沈黙しているのは

さらに驚くべきでいぶかしい。

 

これまで本当に統一を叫んできたならば金正恩政権の反統一路線表明に対し非難する大規模糾弾集会でも開かなければならないはずだがまだ何の動きも見せていない。

 

北朝鮮の対南戦略急変で突然方向感覚を失い「メンタル崩壊」に陥ったのだろうか。

 

 ソウル大学法学部在籍生時代の1986年に金日成の主体思想を韓国に初めて紹介した『鋼鉄書信』の著者であり

現在は北朝鮮人権活動家として活動する北朝鮮民主化ネットワークの金永煥(キム・ヨンファン)研究委員は

「(従北主体思想派が)いまとても混乱している状態であるようだ」と診断した。

彼は1991年5月に潜水艇に乗り北朝鮮に密入国して

金日成主席と直接会った「主体思想派の大物」だった。

 

 ――韓国戦争(朝鮮戦争)を起こしたが赤化統一に失敗した金日成が

生きているならば孫の民族と統一否定発言にどんな反応を見せるだろうか。

 

 「金日成は多分ものすごく怒っただろう。金正日(キム・ジョンイル)は少し違うだろう。金正日は北朝鮮主導の統一が誇大妄想だと考えたが、韓国戦争に参戦した老幹部が生きている時で金正恩のように公開的に統一を否定する立場を明らかにできなかった」

 

 ――金正恩はなぜこの時点で民族と統一を否定する発言をしたのだろうか。

 

 「北朝鮮は1980年代以前までは攻勢的次元で統一を主張したが、

その後は韓国を反統一勢力に追い込む防衛的次元で統一を利用した。

いまは韓国を反統一勢力だと非難しても北朝鮮住民に受け入れられない。

むしろいまは南北交流・協力と統一が金正恩体制の安定に脅威になると判断したようだ」

 

 ――南派スパイに指令を下した平壌(ピョンヤン)放送が中断されたためなのか従北主体思想派はおかしなほど静かだ。

 

 「依然としてそれなりに生存力がある李石基(イ・ソクキ)元統合進歩党議員の京畿道(キョンギド)東部連合系列がどんな反応を見せるのか私も気がかりだ。

おそらく北朝鮮を否定しない線で不思議な論理を作って

今回の難関を適当に突破しようとするだろう。

 

北朝鮮の統一宣伝・扇動に盲目的に追従してきた感性的従北勢力

今後求心力を失って離れて行くものとみられる」。

 

 

 新年に入り南北関係がパラダイム転換というほど新しい局面を迎えている。

北朝鮮の挑発気流は尋常でない。

韓国国防部と合同参謀本部だけでなくで国家情報院と統一部は

このような時ほど北朝鮮の隠れた意図と内部動向を正確に読み取らなければならない

 

歴史発展の流れに逆行する封建世襲独裁政権の時代錯誤的な

虚偽宣伝・扇動と反民族・反統一形態の本質を北朝鮮住民と国内外に広く知らしめなければならない。

北朝鮮の急変はわれわれに危機であり機会かもしれない。

 チャン・セジョン/論説委員

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