神の国 1(聖アウグスティヌス)
(岩波文庫 青 805-3)
1982/3/16 アウグスティヌス(著),
プラトン哲学を基盤に、キリスト教神学を構築した。
アウグスティヌスは西暦354年に生まれ、430年に没した人です。
永遠の教示に富む偉大な歴史哲学の書『神の国』全22巻。
その最後の、そうして最も重要な主題が本冊所収の19~22巻でとりあげられる。
主題とは
「神の国」と「この世の国」という2つの国の
相異なった目的と終極であり、
神の愛に根ざした静穏な秩序と
平和の共同体の理念が描き出されるのである。
事項索引を付した。
==或る書評より
4世紀から5世紀の古代ローマに生きた、キリスト教の神学者のアウグスティヌスが書いた22巻の書。
この第1巻には、そのうちの冒頭の5巻が収録されている。
序文において、アウグスティヌスは、全22巻の内容を簡潔に述べている。
それによると、5巻までは、ローマへの蛮族の侵入は、キリスト教によるものではなく、
人間の歴史にはどんな国にも起こりうることであることを、様々な歴史的な事例を引いて主張している。
キリスト教のことはもとより、ローマの歴史をはじめとして、アウグスティヌスの持っていた知識の幅広さには驚かされる。
トマス・アクィナス『神学大全』
(講談社学術文庫)
2019/11/13 稲垣良典(著)
アリストテレス哲学を基礎にして、神学を築いた。
「挑戦の書」として『神学大全(スンマ)』を読む!
「スコラ学の代表的神学者」が書きあらわした、邦訳にして45冊に上る大著。
そのような物々しさに惑わされず、「ひとりの修道者としてのトマス」による「一冊の書物」として『大全』を読む。
すると、アクチュアルな探究者としてのトマスの姿が浮かび上がり、
彼から現代に生きる私たちへのメッセージが聞き取れる。
神とは何か。
創造とは、悪とは、そして人間の幸福とは?
キリスト教の根源にトマスはいかに挑んだか。
斯界の第一人者が、やさしく、そして誠実に、核心を読み解く。
【本書より】
トマスの言う「神学」はその全体が知恵の探究であり、そして知恵のみがわれわれに人間の幸福をあきらかにしてくれるのですから、知恵の探究はそのまま真実の幸福への道を切り開く営みにほかなりません。言いかえると『神学大全』における知恵の探究は、トマスという一人の人間が、人間であることを学び、人間であることの完全な実現―それが「幸福」の意味です―をめざして行ったパーソナルな探究の記録であり、キリスト信者であろうとなかろうと、人間であることを真剣に受けとめる者にとってはけっして無縁な書物ではないと思うのです。
【本書の内容】
はじめに―『神学大全』をどう読むか
第一章 挑戦の書としての『神学大全』
第二章 神の問題―「五つの道」の意味
第三章 「交わり・即・存在」―人格[ペルソナ]のパラドックス
第四章 創造と宇宙論
第五章 「悪」の問題
第六章 すべての人が幸福を欲しているか?
第七章 トマスの政治哲学―「共通善」の復権
おわりに―「トマス主義者」ではないトマス
※本書は2009年に講談社選書メチエより刊行された同名書の文庫化です。
「スコラ学の代表的神学者」が書きあらわした、邦訳にして45冊に上る大著。
そのような物々しさに惑わされず、「ひとりの修道者としてのトマス」による「一冊の書物」として『大全』を読む。
すると、アクチュアルな探究者としてのトマスの姿が浮かび上がり、
彼から現代に生きる私たちへのメッセージが聞き取れる。
神とは何か。
創造とは、悪とは、そして人間の幸福とは?
キリスト教の根源にトマスはいかに挑んだか。
斯界の第一人者が、やさしく、そして誠実に、核心を読み解く。
【本書より】
トマスの言う「神学」はその全体が知恵の探究であり、そして知恵のみがわれわれに人間の幸福をあきらかにしてくれるのですから、知恵の探究はそのまま真実の幸福への道を切り開く営みにほかなりません。言いかえると『神学大全』における知恵の探究は、トマスという一人の人間が、人間であることを学び、人間であることの完全な実現―それが「幸福」の意味です―をめざして行ったパーソナルな探究の記録であり、キリスト信者であろうとなかろうと、人間であることを真剣に受けとめる者にとってはけっして無縁な書物ではないと思うのです。
【本書の内容】
はじめに―『神学大全』をどう読むか
第一章 挑戦の書としての『神学大全』
第二章 神の問題―「五つの道」の意味
第三章 「交わり・即・存在」―人格[ペルソナ]のパラドックス
第四章 創造と宇宙論
第五章 「悪」の問題
第六章 すべての人が幸福を欲しているか?
第七章 トマスの政治哲学―「共通善」の復権
おわりに―「トマス主義者」ではないトマス
※本書は2009年に講談社選書メチエより刊行された同名書の文庫化です。
バートランド・ラッセルは青年時代には、
ヘーゲル哲学を基礎にして、キリスト教神学を築こうとしていた。
その上で、「キリスト教」を放棄した。
そして「無神論者」になった。
最初、基礎数学の分野で、偉大な業績を築いた。
頭が、弱ると「哲学者」になった。
更に、頭が、弱ると、「社会運動家」になった。
一連の著作で、ノーベル文学賞を受賞した。