感謝です。
鈴木格禅という著名な禅僧が、涙を流し、涎を流し、訴えた。
癌で余命を宣言されて、それも数カ月過ぎた、最後の提唱であった。
もう、恥も外聞もない、最後の教えであった。
もう歩けないから、車椅子で運ばれ、車椅子に坐ったままでの、
5日間にわたる、10時間近くの提唱の、最後に、
「今まで、御恩になった一人ひとりに、最後に、会って、
感謝の言葉を、述べなければならない」
と、200人近くの講義の受講者の前で、涙ながら涎もながしながら、訴えるのである。
禅宗の高僧が・・・
日頃の、洒脱な、飄々とした、駄洒落を飛ばす、人物はそこにはいなかった。
当時は、その意味が、「御恩」が、理解できていなかった。
未熟だった。
なぜ、癌で、今、確実に死に向かっている高僧が、
一人ひとりに、わざわざ会って御恩を述べようとするのか?
強烈な印象だった。