

「合掌した手」を中心に、千の手が広がる本像
合掌した「手・掌」は、触れているようで、お互いに触れてはいない。
そして、「少し、左側から」仰ぎ見ると、
向って右側の手が、まっすぐに伸び、右の頬が理知的に見える。
左側の手がふっくらとなり、左の頬がふっくらとなり、慈悲の顔が見える!
お顔も、右の方の目が「くっきりと開いて」黒目もはっきりと。
左の方は、ここから見ると、よくは見えない。
少し、目を伏せている、ようにも「細く」見える。
すばらしい。
そこから動くことができなくなった。
しゃがんで、下から、ひたすら、拝んでいた。
千手観音様は、
足元にひざまづいている者を、
慈悲の瞳で見下ろして、いました。
周りの大勢の人々は、立ったままで見ているので、
そのお顔を知らない。
お寺で拝む人々だけがこの一番素晴らしい姿に逢うことができる。
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西国33所第5番札所である葛井寺の本尊で、天平彫刻の最高傑作の1つ。
優美な表情、均整の取れた体や衣の表現は、究極の天平美といえる。
千手観音像は、40本の手で千手をあらわすのが一般的だが、本像は大手・小手あわせて1041本をもち、
合掌した手を中心に千の手が広がる本像の表現は見事である。
千本以上の手を持つ千手観音像は、本像しか確認されていない。


