IMM THEATERで上演中の「斑鳩の王子 ー戯史 聖徳太子伝ー」を観てきました。

IMM THEATERは水道橋駅から数分、東京ドームの近くに新たに出来た劇場で(方向音痴の私もさすがに迷うことなく到着!)、これがこけら落とし公演です。

さんまさんは4年ぶりの舞台出演のようです。


早めに到着したのですが、劇場前のスペースがあまりなく開演を待つ人であふれていました。
あの場所で余裕あるスペースを設けることは難しいでしょうから仕方ないとは思いますが、スタッフの人たちも大変そうでした。

 


まず、劇場について!

新しい劇場だけにとてもきれいです。

前の席との余裕もあるので、観劇環境としては良いと思いました。

入った時にはTHEATER MILANO-ZAに似た雰囲気を感じましたが、2階席・3階席があるTHEATER MILANO-ZAに比べると座席数は少ないでしょう。

私としては行きやすい場所に新たな劇場が出来たことは歓迎すべきことで、これからの上演作品次第では足繁く通う劇場になるかもしれません。

 

物語の本筋は仏教が伝来した後の蘇我氏と物部氏の権力争いみたいなところです。

さんまさんが演じる聖徳太子の生誕に関わる逸話もあり、争いを収めるために神々と交渉したりもします。

日本史に疎い私にはどこまでが史実に基づいているのかわかりませんが、古代を舞台にした物語はやはり神話性もあり、そこに自由度もあるのではないかと思います。

などと書いてきましたが、本音を言ってしまうとストーリーはどうでもよいかなと・・・。

 

開演後しばらくしてさんまさんが登場すると一斉に拍手が起き、お決まりのパターンで拍手が収まるのは現地で体感すると気持ちいいですね!

ストーリーとは関係なくアドリブ合戦のパートが面白く、さんまさんの無茶振りに中尾明慶さんや温水洋一さん、山西惇さんたちが翻弄されていきます。

そのあたりはTVの司会者として出演者へのダメ出しやイジリに通じるものがありました。

 

アドリブから本筋に戻す際のキーワード(セリフ)が決まっているようですが、私が観に行ったのが金曜日だったこともあり、「明日は休みの人が多いから」と言ってなかなか本筋に戻ってくれません。

相手の役者から苦情が出ると、観客から拍手が来ることを理由にして、そこでさらに拍手が起こるという相手役にすれば負の連鎖です。

入口に「上演時間 約3時間」と表示されていたのですが、このやり取りを観ていると「約3時間」の意味が良くわかります。

全てがさんまさんのさじ加減次第ということなのでしょう。

 

イロモノ系のキャラも登場し、極めつけは虫の衣装に身を包んで登場するコントのような1シーン。

さんまさん自身が「このシーン必要なの?」と言うくらい本筋とは関係ないのですが、女性問題など最近注目の話題に触れるようなセリフもあり、あまりの無茶振りに山西さんがキレてしまったり、アドリブなのでしょうが出来上がっている(完成度が高い)感じがします。
中尾さんや温水さんはこれまでのさんまさん主演舞台でも観ていたのですが、他の役者の対応力も素晴らしい。

ラストでは観客席に降りてきて、観客に語り掛けるというサービスもあり、観劇前にさすがにきついのではないかと思っていた「休憩なしの3時間」は「笑いっ放しの3時間」でした。