今月の初めに観た、日生劇場ファミリーフェスティヴァル2019「あらしのよるに」。

また、大分遅れての感想になるが、自分の備忘録も兼ねているから良いのだ!・・・と言い訳をしてみる。

 

原作は、きむらゆういちによる同名絵本。

小説や映画にもなり、関連作品もたくさん作られている有名な作品で、過去にも何度か舞台化されているらしい。

ファミリーフェスティヴァルということで、上演前に子供向けのイベントが開催されていたり、普段の観劇とは異なった雰囲気が漂っていたけれど、私のようにひとりで観に来ている人や、友達同士で観に来ている人などもいて、会場は和やかな空気に満たされていた。

このチラシイメージも可愛らしい!

 

 

主演はオオカミ・ガブを演じる渡部豪太と、ヤギのメイを演じる福本莉子

渡部豪太は、「麦ふみクーツェ」を観てから気になっている俳優さんで、その後もいくつか出演作を観ているが、福本莉子はおそらく初めて観ると思う。

他の出演者については、平田敦子くらいしか観たことがないが、逆に最近の平田敦子率はかなり高い!

 

この作品は、オオカミとヒツジが友情を深めていく物語。

嵐の夜に出会ったオオカミのガブとヤギのメイは、暗闇の中でお互いのことも良くわからず語り明かし、翌日にまた会うことを約束するが、翌日再び会った二人は、食べる者と食べられる者という敵対する関係であったことを知る。

それでも友情を選んだ二人は、群れを離れて新しい土地を目指す。

 

ガブは空腹になれば本能的にメイを食べたいと思ってしまうし、ガブが空腹を満たして帰ってくる時の血生臭さはメイにとって受け入れがたい。

しかも、集団行動するオオカミにとって裏切り者は許されず、群れのリーダー・ギロ(高田恵篤)に追手をかけられて、窮地に追い込まれる二人・・・離れ離れになってしまう二人・・・新しい土地で再び会った二人・・・。

しかし、ガブはメイのことを忘れていて・・・。

 

何が刺さったのかもわからないまま泣けた。

ファミリー向け作品なのだろうが、生演奏に歌やダンスを交えた音楽劇になっていて見応えがある。

物語は子供にも分かりやすいが、大人も色々と考えさせられるのではないかと思う。

劇場でもらったパンフレットに「国家や民族、宗教などの対立問題や恋愛から友人の悩みまで、全てが私たち人間のお話」と書かれているが、お互いの違いを認め合えたら、もう少し穏やかな世界になるのかもしれない。