Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されている「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」
特に風景画が好きというわけではないが、駅広告に使われていた「楽園図」という絵が観てみたかった。
この展覧会は、ウィーン美術史美術館の所蔵する絵画作品のなかから「風景」に焦点をあてて選んだ作品によって、風景画が誕生するに至る経緯を問いかける内容となっている。
観に行く前は、単純に風景画を集めた展覧会だと思っていたけれど、宗教画の背景として描かれた風景なども取り上げられている。
ひとつの作品を、主題から離れて「風景」という視点で見てみると、違う楽しみ方が出来る。
やがて、独立したジャンルとして確立していく風景画。
初めて「風景画家」と呼ばれたというヨアヒム・パティニールの「聖カタリナの車輪の奇跡」など約70点の作品を展示。
展示数としては、それ程多くはないけれど、レアンドロ・バッサーノの月歴画など大作も多く展示されており見応えは十分
<楽園図>
観たいと思っていたお目当ての作品。
実物はとても小さな作品だったが、会場は混雑していなかったので近くで見ることが出来た。
<聖母子と聖カタリナと聖バルバラ>
この作品のように、いわゆる「風景画」ではなく、背景としての風景に着目した作品も展示されていて、視点を変えると違う楽しみ方が出来ることがわかる。
<聖カタリナの車輪の奇跡>
初めて「風景画家」と呼ばれたというヨアヒム・パティニールの作品で、主題となる物語は小さく描かれ、広がりのある風景を見せている。
ザ・ミュージアムは作品の解説も丁寧で、派手さはないが良い展覧会が多い。
今回も、知っている画家はロイスダールくらいだったが、思っていた以上に満足感が高い、とても良い展覧会だった。