好きな役者が揃っているので、とりあえずチケットを取ってみるにひひ

原作はユージン・オニールという人で、自身の家族関係を描いた自伝劇らしい。




     



過去に子供を亡くし、その時にかかった医者が痛みを止めるために強い薬を使ったことから薬物中毒になってしまった母・メアリー(麻実れい)。


今は落ち目で、かつては有名なシェークスピア俳優だった父親・ジェイムス(益岡徹)は、倹約家だが騙されて土地を買うことを繰り返している。


長男・ジェイミー(田中圭)は酒浸りの自堕落な生活を送り、次男・エドマンド(満島真之介)は病弱で肺結核と診断され、施設に入ることになる。


そんな家族のある1日を描いた物語・・・


メアリーはジェームスと出会った頃の思い出を語りつつも、結婚後は家庭を顧みなかったジェームスを恨んでいる。

エドマンドを溺愛するが、産んだことを後悔もしている。


ジェイミーは、メアリーが薬物中毒になったのは、ジェイムスが治療費をケチって、しっかりした医者に診せなかったからだと考え、きつい態度を取る。

病弱なエドマンドを思い遣る気持ちは強いが、両親の愛情を一身に受けている弟には嫉妬を越えて憎しみさえも抱いている。


4人が家族に抱く思いは一言では語ることは出来ない。

愛情だけではない・・・憎しみだけではない・・・家族だからこそ抱える複雑な感情がぶつかり合い、あるいはその行き場を失う。

お互いを避け合ったりしてバランスを保とうとするが、メアリーの心は限界を超え、長い一日が終わる。


麻実れいが演じるメアリーは、「海の夫人(http://ameblo.jp/yes-90125/entry-12033496056.html )」のエリーダと重なる。

「海の夫人」とは正反対のラストだが、悲しい結末ながら敬虔さも感じられる。


田中圭満島真之介・・・かっこいいというか、きれいというか・・・。

田中圭の出演作は何作か観ているけれど、こんなに感情の起伏が激しい役柄を観たのは初めてのような気がする。


アンコールから下がる時の姿が、本当の家族みたいで印象的だった。