国立西洋美術館で開催されている「ボルドー展」を観てきました
ボルドー市の全面協力により、ボルドー美術館、アキテーヌ博物館など、6つの文化施設のコレクションを中心に構成された展覧会です。
6つの文化施設から選りすぐった展示作品は、古代の石器や石碑、槍や石斧から、近代絵画、皿やポットなどの陶器・装飾品、そしてワインのエチケットまで多彩です。
それだけに、展示数も多い。
個人的には絵画目当てでしたが、ボルドーに焦点を当てた展示会だけに、それほど期待していなかったのです。
しかし、絵画の展示数も多かった。
目玉は、火災に見舞われながらも消失を免れたドラクロワの大作「ライオン狩り」なのでしょう
パンフレットやチケットの図柄に選ばれているくらいなので・・・。
確かに、大作と呼ぶにふさわしい大きさの絵でした
パンフレットに描かれた絵を見ればわかるように、これだけでも十分に見応えがあります。
しかし、本作は火災によって上部を失っているようです。
それを模写という形で描きあげたのが、ルドンの「ライオン狩り」です。
<ルドン ライオン狩り>
原作のように大きな絵ではありませんが、在りし日の姿を思い描くには十分です。
個人的に気に入ったのは、ゲランの「フェードルとイボリット」という作品
<ゲラン フェードルとイボリット>
「フェードルが夫の留守中にイボリットに恋してしまうが、夫が予定より早く帰ってきてしまって、さぁ大変・・・」という解説が添えられているのですが、それによれば、フェードルは乳母の助言に従ってイボリットに罪を擦り付けてしまうらしい。
解説を読むと、その物語が一枚の絵の中に凝縮されているなぁ・・・と感じます。
描かれている人物の表情で、それぞれが考えていることまで透けて見えてきそう
平日の昼間ということもあって、混み具合はそれ程でもありませんでした。
ただ、入ってすぐに展示されている石器などの出土品は小さいので、きちんと見たいと思うと並ばなければならないくらいには混んでいました。
企画展を見終わった後、新規展示があるということで、久しぶりに常設展をみてきました。
繰り返し何度も見ているので、「新規展示以外はさらっと・・・」と思うのですが、ここの展示作品はそれを許さない充実度です
結局、時間をかけてみてしまいました
やっぱり、カルロ・ドルチの「悲しみの聖母」の前で、しばらく立ち止まってしまう。
この作品だけでも、常設展示を観に行く価値があると思っているくらいの私です
<カルロ・ドルチ 悲しみの聖母>
企画展は思っていた以上に良かったし、常設展では新たに加わった作品も見られたし、行って良かった
<フェルメール帰属 聖プラクセディス>