今年いっぱいで閉館することが決まっている青山円形劇場・・・プロデュース作品も残りわずかとなってしまった
そして、「青山円形劇場FINAL 青山演劇フェスティバル SPECIAL ~ さようならの向こう側 2014 ~」が始まった
そのトップバッターが、「バンダ・ラ・コンチャン コンピアルバム 『御ゑん祭-近藤さん出ずっぱりだって!?-』」
近藤芳正が最近面白いと思っている若手劇団とコラボするという内容で、タイトルどおりコンピレーションアルバムのような楽しい舞台
劇団に与えられた時間は20分。
そして、「主役でも端役でもいいから、近藤芳正をどこかで必ず使う」という縛り以外は自由に創作していい。
それが参加条件
参加しているのは、ぬいぐるみハンター、青☆組、ナカゴー、Mrs.fictionsという若手4劇団
それぞれの劇団の色があって面白い
◆ぬいぐるみハンター「甘じょっぱいのぱい」
好きな女の子に告白するために、幼馴染の女の子・アッコ(神戸アキコ)でシュミレーションする男の子(近藤芳正)。
アッコの想いを近藤はわからない。
想いを寄せる片桐(片桐はづき)には、近藤の気持ちはわかっているみたいだがうまく告白はできず、何故かアッコが必死に近藤の気持ちを伝えようとする。
そんなアッコの想いを片桐はわかっている。
UFOや不良学生が出てくるけれど、ベースは「甘じょっぱい」物語
◆青☆組「お月様で逢いましょう」
これまでに、いくつもの別れを経験してきた男(近藤芳正)。
しかし、ちゃんと「さよなら」を言えなかったことを後悔しているようだ。
物語は、男が初めての別れ(愛犬との別れ)を経験した幼少時代にさかのぼり、この世に「さよなら」する男の姿を描いて終わる。
男は、最後にちゃんと「さよなら」を言う事が出来るのか
◆ナカゴー「森」
会社の先輩(篠原正明)と待ち合わせた場所は、娼婦が集まるという森。
しかし、女たちは口裂け女になっていた・・・。。。
先輩は早々にやられてしまい、近藤はハンマーを武器に、ひたすら口裂け女と闘う羽目になる
物語は単純だけど、円形劇場をうまく使っていて、そのドタバタ感が面白い。
最後は、しっかりとまとめている
でも、近藤さんは体力的にかなり厳しかっただろうなぁ・・・・
◆Mrs.fictions「お父さんは若年性健忘症」
バブル期を通過しているお父さん(近藤芳正)は、最近、物忘れがひどい・・・というか、若年性健忘症
お母さん(小川菜摘)のことさえも忘れてしまうことに娘の美佳子(相楽樹)は不満を口にするが、当の本人(お母さん)は、どんと構えている
お父さんが出逢った頃のことを思い出して誘ってくれば、バブル期の派手な衣装に着替えてマルエツに行く
あったかい家族の物語
何事にも動じないお母さん役の小川菜摘がとても良い。
相楽樹が、自然体でとても可愛い娘役を演じている
スペシャルユニット「オールド」として、半海一晃と寺十吾も出演。
3作目と4作目の間でトーク(なのか、これもひとつの作品なのか)を展開。
これも、面白かった。
終演後、トークショーがあった。
当日のゲストは、劇団☆新感線のいのうえひでのりと、女優の坂井真紀
近藤さんが言う事には、最近の若手劇団は、「本多劇場を目指せ」みたいなのはないらしい。
いのうえひでのりが、劇団立ち上げ当初は役者として舞台に上がっていたこと、演出の際には自ら演じて見せるのだが、これが誰よりもうまいので役者を悩ませていること、毎回演出作品を見て、一番楽しんでいることなど、普段は聞けないような裏事情が聞けて楽しい
この価格でこの充実度は、とても得した気分