韓国はランキングや数字による格付けが大好きな国だ。

ついでにいうと韓国人の会話にはまことしやかな格言やデータがちりばめられる。

人のいい日本人は、それをそのまま信じてしまうけれども、

そういうのこそが嘘を嘘でないように見せるための韓国トークなんだと受け止めたほうが良い。

 

おそらく韓国人同士では最初からそういうフィルターをかけながら人の話を聞くのだろうが、日本語と韓国語は構造や表現、語彙が似ているがために、

日本語の耳で聞いてしまう日本人が、あっさりと騙されてしまうのだろう。

 

KORAIL(韓国鉄道公社)の高速鉄道KTXはこちらのサイトから予約できる。

 

日本語での入力も可能で、支払いも簡単だ。

 

KORAILは2021年1月に新型車両「KTX-イウム」の導入を発表した。

「低炭素・エコ高速鉄道」KTX―イウムの導入により、韓国の広域鉄道に多く用いられているディーゼル車両が大幅に減らされていくそうで、

韓国もまたインバウンド・観光客の地方への呼び込みに努力している。

 

このKORAILが先日KTXの提示到着率99.8%と発表した。

KORAILは「フランスは84%、ドイツは75%ほど(2021年)」として「世界最高レベルの定時到着率」と自画自賛してみせたのである。

私も「へぇ、韓国もずいぶん進んだんだな」と危うく信じるところだった。

 

しかし、すぐに朝鮮日報のコラムが嘘を見破って解説してくれた。

「この定時到着率は乗客が感じる『体感定時到着率』とあまりに懸け離れている」という韓国人ならではの肌感覚、これこそが日本人にまねのできない点である。

この頃韓国に留学したいなんていう日本人の若者は、

こうした点をこそ、韓国から学んできてもらいたいものだ。

さて、朝鮮日報記者の個人の感覚では半分以上定時に到着したことがないというこの記者は、自身のアプリ記録をひもといて、ほぼ半分は遅れて到着し週末に至っては8割が遅れて到着したと報告している。

 

更にこの記者は、遅延時間のほとんどが15分ほどであり、

20分以上の遅延は150回乗ったうちの3回だけだったことを述べている。

 

KORAILによると、20分以上の遅延は顧客から抗議があった場合賠償責任が生じるラインであり「国際鉄道連合(UIC)の基準では終着駅に15分59秒以内に到着した列車は全て定時に到着したと見なしている」ということである。

これが99.8%のカラクリである。

15分59秒以内をしっかり守って遅れる韓国KORAIL、

これは、ほんとは「やればできる子」って意味じゃないだろうか?

 

このことに対し、当該の朝鮮日報チェ・ソンジン記者の表現が冴えている。

 

ここ1年に遅れて到着した71本の遅延時間を合計すると729分。12時間以上も乗客の時間を奪いながら特別な謝罪も賠償もしなかったわけだ。全国で1日300本以上のKTXを利用する20万人以上の乗客がこのように失った時間を合計するとどれほどだろう。

 

私が最後にKTXを利用したのはもう5年以上前。

 

販売サイトで予約したチケットをソウル駅構内で受け取って自分の席に行くと誰かが座っている。

チケットを二度見、三度見してから、「間違って座っていませんか?」と声をかけると億劫そうに立ち上がった客が、また近くの空いている席に適当に座る。

 

KTXのホームはヨーロッパ式で改札がないまま車両まで行けるので、

無賃乗車が異常に多いと聞いていたが、それを目の当たりにした。

無賃乗車を指摘すると「なんで私だけ責めるんだ」と客が逆切れし、乗務員が暴行される、という事件を聞いたのもそのころだ。

 

あんな状況、今は改善されているのだろうか?

 

また、今回ブログを書きながら、韓国内の報道には99.8%という数字が頻出することに気づいてしまった。

またの機会に韓国の99.8%についてまとめてみたい。

 

 

 

KTX 이음 イウムは「繋ぐ」という意味