GPSロガー・桶スポ最高速の見方と1コーナーの走り方 | 黄色のトパーズ

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そのバイク、何cc?
俺も昔はバイクに乗ってたんだよ。
スズキのグースってヤツでさ・・・

まず最高速とは何なのか。
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最高速の原因は操作以外(主にセッティング)と操作。操作かセッティングなのかというだけでもややこしいけど、このセッティングならこの操作ができるとかいうのもあってセッティングと操作が完全に独立していなかったりで余計にややこしい。


操作の面で言えば、どれだけアクセルを開けた時間が長いかということになる。開けられるラインを選択しているか、開けている時間は開け始めと開け終わり。どのようなアクセル操作をしているかは主に縦G(加速G)グラフが手掛かりになる。

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GPSデータロガーで分かるのは結果、その時バイクがどの状態にあるかということなので直接の操作ではない(※加速度グラフから分かること 参照)けど、どんな操作をしているか大体は見当が付く。例えばバンクしている状態で加速度がゼロの時のアクセル開度を考えてみると、アクセルを開けたことによる加速とバンクしていることによる減速(別にブレーキをかけないでもバンクしているだけでバイクは減速する)の差し引きで加速度ゼロなので、パーシャルよりは開けているということになる。主に縦Gグラフなのだけど、横Gグラフも見る必要がある。


グースで桶スポを走った場合、最高速が出るのは1コーナーでストレートではない。自分の桶スポ初転倒は1コーナーで、傷一つないピカピカだったバイクが一気にボロくなった因縁のコーナー。それで吹っ切れて桶スポ三昧転倒上等のバイクライフになっちゃったのだけど、ここでいかにスピードを乗せられるかでタイムが随分変わってくるのでコース攻略の最重要箇所だ。

桶スポは狭いからインフィールドのΩあたりの攻略に気を取られがち・・・勿論それも大事でタイム削るなら全部大事なのだけど、タイムへの影響度からすればコーナー一つで1秒簡単に変わるのは1コーナーだけ。どこのサーキットでも高速区間が最もタイムを削りやすい。50秒切りたいなんて場合でインフィールドが苦手だったら6~8コーナーのΩあたりは取り敢えず無視してハンドル切って適当に曲がっといて、1コーナーだけカッ飛ばせばいいんじゃないかなんて正直思ってしまう。もう少しタイムを縮めた場合、例えば48秒でも46秒でもタイムが伸びない・出ない場合は節目節目で走り方を見直すと何かがある大事なコーナーだ。転倒すればスピードが乗ってるだけ大損害なのであまり無理はするべきではないけど。

9コーナーがソコソコ上手くいって開け終わりで差が出る場合。GPSロガーのデータからどこまでアクセルを開けて進入できているかを探りたいのですが、加速度がゼロを跨ぐコース上での位置に注目すると分かりやすい。Lap+Viewで見ると大体こんな傾向になる。

黄色のトパーズ-桶スポ 1コーナーA

1コーナー進入と同時に加速度ゼロを跨ぐと最高速は106km以下。バイクはほぼ直立。Aとします。


黄色のトパーズ-桶スポ 1コーナーB

1コーナー進入の少し後で加速度ゼロを跨ぐと最高速は108km前後。バイクはややバンク。Bとします。


黄色のトパーズ-桶スポ 1コーナーC

1コーナー進入後に加速度ゼロを跨ぐと最高速は110kmオーバー。バイクはフルバンク一歩手前。Cとします。


3つともラインは後述する内回りを走っています。コース図とはズレてしまうので、△の位置の前後でのラインの曲がり具合と横Gグラフでバイクがどんな状態か判断。水色のAは曲がる前、赤のBは進入と同時、緑のCは完全に曲がりきった後になっているのが分かります。気持ち的には常に全開で1コーナーに進入しているツモリですが差が出ます。Cの場合もバイクがフルバンク付近(バンク角45°超)まで加速度プラスをキープしていた・・・パーシャルよりは開けていた(バンクによる減速と差し引きで加速度ゼロなのでパーシャル以上)というだけで全開で進入できているかはハッキリ分かりません。意識としてはストッパーに当てたまま進入で良いと思うのですが。33馬力以下のバイク、最高速が110kmに満たないようなバイクならグース以外でも恐らくこの辺は同じ。

ここで細かい話をしてしまうと、加速度ゼロを跨ぐコース上のポイントだけ見てもCが一番奥なのですが、実はそれ以上にAとBとCはアクセルを閉めたポイントには差があります。Aはバイクが直立、Bはややバンク、Cはフルバンク付近の加速度ゼロなので。バイクが傾いていればアクセルを開けていることによる加速とバンクしていることによる減速の差し引きが加速度。傾いていることによる減速がない直立のAと、傾いていることによる減速が少しあるBと、かなりあるC。Aの加速度ゼロはパーシャル、Bの加速度ゼロはパーシャル+α、Cの加速度ゼロは更に上のアクセル開度ということになります。ストレートではなくコーナーで最高速が出てしまう、パワーが無いバイクで桶スポを走ったとき特有の事情。



開け始めの方に原因がある場合もあります。最終は全開切り返しなので9コーナー。

黄色のトパーズ-桶スポ 9コーナー
縦軸が左は-1~+0.75G、右は-1.4~+1Gになっちゃってるので幅は合わせてあります。これはタイヤに問題があった場合。左が交換直前、右はニュータイヤ。新品タイヤにすると途端に加速度グラフの傾きが変わることがあります。前の週に加速が悪いのは自覚しているのでアクセル操作にも気をつけた結果なのですが、何度かタイヤ交換を跨ぐと急変というのがあったのでタイヤが原因ということでいいでしょう。ツルツルのタイヤでズルズル滑りながらもアクセル全開で立ち上がる。バイクを操ってるゼ感があって、タイム出たんじゃないかと思うけど全然出ない。減ったタイヤでいくら頑張っても加速しないし、最高速は出ません。ブレーキングも無意識のうちにセーブしてしまうようで鈍いですね。



最高速の出る1コーナーのライン取り。大きく2種類あるのですが・・・

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左端まで幅いっぱい芝まで使いきって立ち上がって継ぎ目手前で切り返すラインを内回り、左端を余らせて立ち上がって継ぎ目を越えて壁によるラインを外回りとしましょう。内回りなら距離は短いけどRは急。段差を跨がなくて良いので多少セッティングが甘いバイクでもOK。Rが急なのでコーナーが得意なオンロードバイクはこちらが良いかも。外回りだと距離は長いけどRは緩いし2コーナーの進入も楽。段差を全開で跨ぐので主にリアサスはセッティングした方が良いでしょう。Rが緩くて段差に強いモタードはこっち? ただCBRカップ車両は全て外回りだったり、排気量や車両のタイプによってスッキリ分かれるわけでもないので難しい。外回りは段差はあるけどRが緩いからバンク角は節約できるみたいな事情も。9→最終→左端でパワーを使えるハイパワーなバイクかどうか。使えるバイクならそこで使うのか、それともメインストレートを重視するのか。9→最終→左端でパワーを使えないローパワーなバイクなら、距離の短さを重視して内回りなのかそれとも・・・という別れ方か。自分がグースで走ってみたところ内回りの方がコンマ1良かったけど大差なし。

一応、見たことある範囲で。

内回り・・・ブロス650、VFR400R、NSR250R、GOOSE350、VT系、SDR。
外回り・・・モタード全般、CBR250R(MC41)、CBR250RR。

ただ、性能差があるバイクとやり合うなら内回りでないと簡単に抜かれてしまう。自分よりラップタイムが遅い相手でも抜かれたりするし、後続に譲ってるようなものになってしまうので、そういう場合のレースなら内回り一択。SSキラーズのマルチ4にグースで参戦する場合は内回りが無難でしょう、どっちでもタイムは出るので抜かれにくい方で。