日本のシャープペンシルの歴史(20) | Vintage Mechanical Pencil(シャープペンシル)の魅力

Vintage Mechanical Pencil(シャープペンシル)の魅力

シャープペンシルのコレクターです。味わい深いビンテージペンシルの魅力を感じてください。

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前回に引き続いて「日本文具新聞」に掲載されていた広告を紹介します。
今回の広告は1920年(大正9年)9月に掲載されていました。

 

 

「森田金属製作所」の”カノエ印萬年鉛筆”の広告です。
「森田金属製作所」は、創始者である「森田圓次郎」が
ある資料によると1912年(明治45年or大正元年)に創業し始めたようです。
創業から繰出鉛筆を作っていたかは不明ですが、
戦前、戦後と輸出を含め、シャープペンシルで有名な老舗メーカーです。

 

 

 

”萬年鉛筆”という呼び名は、シャープペンシルという名前が広まる以前は、
一部使われていたようですが、シャープペンシルという名前が浸透した後は
ほとんど使われておらず、この森田金属製作所しかこの名前を使っていなかったようです。

 

 

 

ちなみにシャープペンシルという名前が広まる以前は”繰出鉛筆”や”萬年鉛筆”と呼ばれる他にも、
”振出鉛筆”、”打出鉛筆”、”機構鉛筆”、”機械鉛筆”、”回転式鉛筆”、
”押出鉛筆”、”自在鉛筆”、”巻出鉛筆”など色々な呼び方がありました。

 

 

 

広告の中に特許番号が書いてありますが、この”特許願114414号”は公開番号(出願番号)だと思われます。
実際は実用新案で登録されている”登録実用新案55475号”のことだと思います。
この実用新案は森田圓次郎が、大正8年12月10日に出願し、大正10年2月24日に登録となっています。
その他にこの時期に森田圓次郎が出願している特許がないため、この特許のことを指していると考えます。

 

 

 

この特許の中身は、振出鉛筆の製造方法の特許で、先端部分を安価に製造する方法が示してありました。
広告に出ているペンシルに、この特許が応用されているとしたら、
芯ホルダーのように芯を挟み込み固定するペンシルだったのだと思われます。

 

 

 

ある資料によると、この”カノエ”というブランド名は、輸出第一号が「庚」の年に
製造されたことから、この名前が付いたとされています。
実はこの広告が出された1920年は「庚」年のため、少なくともこの年に初めて
「カノエ」というブランド名でペンシルが販売されたようです。
(庚年は10年に一回、西暦の10の倍数の年のため)