あの時、

確認すれば良かった。



子猫は産まれたかと、

電話で確認するべきだった。






8月に、妊娠したメス猫を発見して、

飼い主のお宅を見つけたのだが、



そのお宅は、

風除室のソフトケージの中で、5匹の猫を飼っており、




数日後、私は5匹を連れて帰り、

後に、

5匹には、里親様が見つかった。





そして、

妊娠したメス猫。



こちらのお宅は、

医師であるご主人が、猫が嫌いな為、家に入れることは出来なかった。


奥様に、

家に入れられないのであれば、

安心して出産できるように、私の家に連れて行っても良いかと聞いたら、


奥様は、

「え、何で?わたしの家の猫よ。それに、その猫は子供が産めないのよ」

と言った。



どういうことかと聞くと、

この妊婦猫は、死産を繰り返すので、病院で診てもらったところ、

産道が狭くて、出産の過程で、子猫は死んでしまうと言われたそうだ。




(だったら、その時点で、不妊手術すればいいじゃないか)


(何匹もの子猫が、産道を通る時に死に、母猫の産み出す苦しみだって、相当なものじゃないか)



私は、怒りが爆発しそうになったが、

ここで奥様を怒らせては、

何も出来なくなってしまうので、


我慢した。




奥様に聞いた。

「だとしたら、ソフトケージの中の5匹は、どの猫が産んだのですか」



5匹の母猫がいた。




奥様は言った。

「この子は、モテモテで、いろんなタイプの子を産むのよね」


「でも、今年は、なぜか妊娠しないの」



私は少し近づいて、5匹の母猫を見た。


「奥様、この猫、耳カットされていますよ。不妊手術されていますよ」




驚いた。

ご近所の方だろうか、他にもボランティアの方がいるのだろうか。


おそらく、

次から次に、メス猫が妊娠している現状を、見兼ねたどなたかが、

5匹の母猫の不妊手術をして下さったのだ。



本当に、有り難かった。





奥様に言った。


「今は、室内飼いが当たり前で、不妊手術は常識です。ご近所の方が、不妊手術をして下さったようですよ」


「近くに、気にされている方がいるようですから、気を付けないと、警察や保健所に通報されることもあるかもしれませんよ」



あの時、

このような経緯があり、

奥様は、ソフトケージの中の5匹を手放した。


そして、

1匹でも子猫が産まれたら、私に連絡すること、

今回の出産が終わったら、必ず、不妊手術をすること、


二つを約束してもらった。





その後、奥様からは連絡がなかった。


私もまた、あれから子猫の保護が相次いで、連絡を怠ってしまった。




そして今月、奥様のお宅を伺った。


あの時の、死産を繰り返した妊婦猫は、

5匹を出産していた。




しかし、私には連絡がなかった。


そして、

5匹の子猫は、


風除室の同じ場所で、

同じように、


飼われていた。









5匹の子猫は、3ヶ月を過ぎてしまっていた。



「母猫は、不妊手術しましたよ。もう子猫が産まれないなら、2匹は残して欲しい」



私は、3匹を連れて帰った。




どうしたら、

あと2匹を連れ出せるだろう。




あの時、

確認すれば良かった。


子猫は産まれたかと、

電話で確認するべきだった。





奥様と、

たくさん話をして、

少しは解ってくれたかと思っていたのに、



同じことが、繰り返される。



人は、そんなに変わらない。





絶望的な気持ちになる。




























1/8 トクメイ様 3,000円
1/9 タマ様 3,000円
1/11 カナ様 10,000円
1/13 S・K様 10,000円


ご支援、ご寄付をありがとうございました!!
本当に、助かります。
頭の中がいっぱいいっぱいになってしまい、きちんとお礼もできず、申し訳ございません。どう話したって、解り合えない人がいることを、活動を通じて、実感します。応援して下さる方がいる事で、気持ちが救われます。
ありがとうございました!!