風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州(2026.4.7)
国内及び海外における野鳥の衝突死事例
<日本国内における事例数>2019年(公財)日本野鳥の会資料より
105種604羽(2023年3月末時点)
公的機関によって「可能性が高い・ある」と判断された事例数である。
この中でタカ類が約30%、カモメなどの海鳥が約24%を占める。風車の羽根の回転域と飛ぶ高さがほぼ同じであることから、バードストライクが多くなるようだ。
なお、この事例数はほとんどが偶然発見されたものであること、また、衝突死と認められないケースもあることから、実際の数はこの数字の数倍から10倍以上であろう。
風力発電事業者は、衝突した瞬間でも見ない限りは簡単に認めない傾向があり、死骸を解剖したりなどの検査を積極的には実施しない。
<北九州市内の事例数は?>
すでに撤去された響灘の実証実験機の洋上風力発電に衝突したミサゴ1羽が衝突死として公表されただけ。しかし、響灘地区の風力発電施設ではこれまで11種33羽の死骸が発見されており(2023年1月現在)、すべて風車に衝突した野鳥と推測できる。施設点検ついでの偶発的な発見だとすれば、実際はこの何倍もの数字になるに違いない。中には、絶滅危惧種や渡り鳥条約掲載種もいるが、実効性ある衝突防止策は何も実施しておらず、響灘地区で繁殖しているチュウヒ(※)たちの危険は続くのだろう。
(※)チュウヒ(写真上)ⒸT.ITOYAMA
絶滅危惧種・国内希少野生動植物種(種の保存法)に
指定されているが、本州以南ではごく少数のつがいが
生息しているのみである。
<海外における事例数>(公財)日本野鳥の会資料より
1)ドイツを中心に欧州での調査による事例数:829羽
内訳:カモメ科348羽、タカ科234羽、ハヤブサ科36羽、
カモ科42羽、カラス科20羽など
2)SEO/BIRDLIFE(スペイン)作成による衝突
死事例
ドイツ、アメリカ、カナダ、スペイン、オランダの2013年
までの主な事例
ガン・カモ・ハクチョウなど228羽、猛禽類2371羽、
ウズラ・キジなど92羽、ツグミ・ヒタキなどの小鳥類2892
羽、ハト類448羽、カモメ科378羽、フクロウなど夜行性の
鳥264羽
★日本国内、海外を問わず、タカ類の衝突死が多い。
★小鳥類が多いのは、移動・渡りをするコースに風力発電
施設が建設されていることがうかがえる。
3)世界で最も多く洋上風力発電施設が建設されているイギ
リスでは基本的には重要な種の鳥類が生息している場所に
は建設されない!
しかし、海洋での死骸発見が困難なため、衝突死事例が少
ない。
4)洋上風力発電における衝突死事例
・ベルギーゼーブルグ沿岸(浅海域)防波堤に建つ風力発
電25基
アジサシ類など2004年523羽、2005年459羽の衝突死
を確認
・ドイツがバルト海で実施した調査は、
ヘリコプターで1年間に44回の死骸捜索調査を実施。
442羽の鳥類の死骸を回収(風車1基当たり約32羽、
87%がツグミのなかま)。
★野鳥の衝突・死骸発見の実態を明らかにすることから、
野鳥への影響とその対策が見えてきます。
そして、事業者が言う「環境にやさしい風力発電」に
プラス「野鳥にもやさしい風力発電」であってほしい
ものです。
今日もどこかで野鳥が風車の羽根に弾き飛ばされている!
「野鳥にも人にもやさしい風力発電であってほしい」

