接ぎ木
植物の増やし方の一つに接ぎ木という技術がある。
これはなかなかに難しいので、素人はあまりやらないし、やっても
なかなか良い結果は得られないようだ。
だけど、今年、初めて挑戦してみた。
何故接ぎ木しようと思ったかなんだが、ウチに、鳥か風が運んだ
らしい、自然に生えた大きく育ったムクゲの木が数本あったんだな。
これが白い花を咲かせるんだが、芯の部分も黄色で、何とも寂しげ
な雰囲気で、ちょっと陰気臭い。

で、2本の木だけを残して他は伐採した。
これには意図があって、この2本の白花の木に、芯の赤いムクゲを
接いで、少し豪華さを出したらどうかなと考えたわけだ。

で、この早春の頃、接ぎ木を始めた。
道具はこんな、そこらにある鋏とカッターナイフ、そして接ぎ木テープと
簡単な物を使っての作業となる。

まずは赤芯のムクゲから穂木を取る事になる。
長さ数cmの芽の付いた枝を切り取って、下端を斜めに切り落とし、
反対側の皮の部分を削ぎ取っておく。

んで、本体の方は、元気の良さそうな枝を適度な長さにした後、
穂木を差し込むための切れ目を入れる。
ここが一番難しい所で、深く削ぐと養分を運ぶ形成層の密着が悪いし、
浅すぎても良くない。
そして、切れ目の皮の部分はとても切れやすいんだな。

穂木を差し込んで密着させた後は、接ぎ木テープでシッカリと固定
しておく。
接合部がズレないよう、切り口から養分が逃げぬよう密着固定する
という訳だ。
この部分が成長すれば、白花の枝から赤芯の枝が伸びるという
訳だな。
これを時期を分けて、5、6ヶ所やったかな?

春になって、葉が茂り始めたが、接ぎ木した部分の芽が一向に
成長する気配がない。
接いだ枝が死んで枯れたわけではないのに、芽が萎れてきて
茶色になってしまった。
これは失敗だな、それともまだこれから成長するんかな?

そして、夏になった。
枝がどんどん成長し、葉が茂り、白花が毎日数10個ほども咲く
ようになったけど、接ぎ木の芽は再び芽吹くことは無かった。
あーあ、やっぱり接ぎ木は難しいわ、芽が枯れてしもたもんな。
また来年挑戦するか。
伸びすぎた枝を刈り込む時期になったな。
毎日暑いから、枝を降ろす機会を伺ってたんだが、今週は無理。
連日35℃越えで、日向に出たら死ぬほどの暑さやもんね。
伸び放題の枝が見苦しいから、早朝の一仕事しかないか。
と、茂った葉の間に何やら赤い物が。
あれれのれ、赤芯の花が咲いてるやんかいな。
どこに隠れとったん?
よぉく見ると、接ぎ木の部分から出た枝が普通に伸びてたんで、
上手く接げたのを見落としてたようですがな。
期待通りのひと際大きい花が2個も。

5、6ヶ所やって、やっとこ1ヶ所は成績が悪いけど、ワシとしては
上出来と言うしかない。
今後は白花の枝を刈り込み、赤芯の枝を増やしてゆくことになる。
欲が出てきたから、来年ももう少し赤芯の接ぎ木をやろうかな。
更に欲が出て、薄青色の花の枝も接いだろかしら。
神の摂理を犯してるような気もしないではないけど、1本の木に
白花、薄青花、赤芯花が咲き分けるって、ロマンティックじゃない?
それともゲテモノですかな?
でも、色とりどりに咲くムクゲってものを楽しみたい気もするんだな。