紅麴
紅麹を用いたサプリメントによる薬害(とは言えないが、機能性
表示食品による健康被害)が大問題となっている。
何しろ、重篤な腎臓障害で死者が5人も出ているし、入院患者が
100人を越え、何らかの不調を訴える人が600人以上も出て
いるからね。
小林製薬が製造した紅麹のうち、あるロットに限って傷害を
受けた人が大量に出たという事のようだ。
紅麹そのものは昔から、発酵食品や、食品の着色料として利用
されてきていたが、紅麹の作用として、コレステロール値を押さ
えるという効果が期待される事から、サプリメントとして売り出し
たため、コレステロール管理薬として長期にわたって摂取した
人が多かったようだ。
サプリのように長い期間摂取したからか、また、高齢者の摂取が
多いからか、何かあった時の傷害耐性が弱かったのも問題を
大きくしたようだ。
この機能性表示食品というのが問題で、元々は特別保険食品
(特保)として、厚生省の認可食品だったのを規制緩和したもの。
企業の責任において、有効性を確認すれば登録できるが、
厚生省のお墨付きがあるわけではなく、機能性表示食品として
効果がありますよと表示できるというもの。
もちろん、登録に当たってはその根拠などの資料提示は必須で、
害のあるものが登録できるわけではない。
紅麹については、一部の菌株が生産するシトリニンというものが
有毒物質であるため、その含有量が制限されていた。
今回のサプリにはシトリニンは含有されていなかったが、何らか
の有害物質が含まれていて、それが腎臓に劇症をもたらして、
健康被害を発生させたようだ。
製薬会社の分析では青カビ由来のプベルル酸なる物質が検出
されたというが、これが原因物質かどうかは現時点では特定
されていない。
発酵食品を扱う会社では雑菌の混入が最大の問題で、その管理
にはどこでも細心の注意を払っている。
酒蔵でさえも納豆を食べるのが禁止されているほど。
製薬会社は特に厳密に雑菌管理を行っていて、製造場所は
無菌室が普通で、雑菌を持ち込まない対策が厳重に行われて
いるという。
だから、何故、厳密に管理していた菌株にシトリニン以外の菌が
混入したのかは未だに謎となっている。
あるロットの製品だけに発生しているし、流通経路からは混入は
困難なので、製品の製造時に混入したと考えられるんだが。
この製品は52社に対して納入されたという。
その他にもこれらの会社から仕入れて加工業者に販売して
使われているので、末端では3万社に及ぶ会社が小林製薬製の
紅麹を使っていたという。

なもんだから、対応がまた大変厄介になる。
紅麹が全て悪い訳じゃなし、あるロットの物を追跡すれば済む
という事でもなし、回収や廃棄の範囲が決まらない。
消費者側から見れば、表示に「紅麹」と書かれてれば、まず
使わないだろうから、実質的に売れなくなるんだろう。
それを見越してか、消費者庁の食品回収記事にはあれもこれも
って言うほどに、自主回収品が溢れてる。
自主回収品
問題を起こしたのは極く一部でも、食品に関しては「疑わしきは
罰する」対応が取られざるを得ないわけだ。
ワシも色々な食品の袋を、紅麹が使われてないか確認した
もんな。
健康被害を受けた人に対しては小林製薬が賠償するとの事
だが、死人まで出ているから、訴訟問題になる可能性もあるし、
金額と時間は相当に掛かりそうだ。
口に入れるものはとにかく安全第一でなければならない。
ワシ自身はサプリなんてものが効く訳はないと考えてるし、
濃縮した特定物質を毎日摂取するって有害としか思えんから、
一切口にしないが、好きな人は沢山摂ってるから、今後とも
要注意だな。
規制当局も食品に関しては慎重すぎるくらいの対応をして
欲しいものだ。
ま、今回の事件が当局の力で防げたかは、はなはだ疑問では
あるが、既に欧州で類似の健康被害が発生していたし、スイス
では紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は
違法とされているんだから。
もう少し事前の関与が出来たんじゃないかと思うんだが。