悠釣亭のつぶやき -232ページ目

ウクライナ情勢は?(29)__停戦は可能か?

ロシアの侵攻開始以来1,000日を越え、双方とも消耗戦に
入ってきている。
ロシアは豊富な物量で攻撃を激化させているが、兵器の損耗と
兵士の消耗が止まらない。
で、人員不足が表に出はじめ、国内での徴兵強化や志願兵
募集を強化しているという。

ウクライナ側も人員の損耗が進み、それを補う形で大量の
ドローンを投入して対応しているようだ。
互いに支配地域を維持しようとしているが、ロシア側の侵攻が
やや勝っていて、支配地域を極く僅かずつだが拡大している。

ウクライナが支配するロシア領クルスク州において、ロシアの
奪還作戦が進められているようだが、ウクライナが戦線縮小
しながら強固に確保している状態で、奪還はうまく行っていない
模様である。

これまでの双方の死者数は明らかではないが、非公式情報に
よるとウクライナ4万3000人、ロシア7万8000人という。
負傷者に至ってはこの5~8倍に上るという。


そんな中、ウクライナ軍による、今まで封じられていた欧米製
長距離ミサイルを用いたロシア国内の拠点に対する越境攻撃が
実施され始めたようだ。

19日、ロシア国防省は西部ブリャンスク州の軍事施設を狙い、
ウクライナ軍が同日未明に米国製の長距離地対地ミサイル
「ATACMS」を撃ち込んだと発表した。
バイデン米政権がロシア領内の攻撃にATACMSの使用を
認めたと17日に伝えられた後、最初の適用例で、ロシアが
反発している。
その後も空軍基地などへの越境攻撃が報告されている。


19日、プーチン大統領は核兵器の使用条件を示した核ドクトリン
を改定し、ウクライナを軍事支援する各国も核を含む攻撃の対象
になり得ると警告した。 

その直後の21日、ウクライナ軍は「この日午前5~7時、ロシア
軍がドニプロ地域に向けてICBMを発射した」と発表した。
核弾頭は搭載されていなかった。
これは結果的には誤報で、中距離弾道ミサイルだったようだが、
長射程ミサイル攻撃に対するロシア側の報復の意味合いが強い。

要するに、欧米がウクライナを唆して、長距離ミサイルでロシア
国内を攻撃するのなら、NATOを視野に入れた、防衛が非常に
困難な中距離弾道ミサイルでの攻撃を覚悟せよという脅しと
見られる。


ウクライナによる長距離ミサイル攻撃は抑制的で、ロシア領内
への攻撃は飛行場や弾薬庫、軍需工場などに限定されている
が、ロシアにとっては国内が直接攻撃されているという危機感が
強いんだろう。

いずれにせよ、これにて戦闘状態が一段格上げされて、範囲も
拡大されたように見える。
ウクライナの越境攻撃が抑制的に行われる限りは、更なる
紛争の拡大は行われないと思える。
しかし、ロシアがジリ貧状態にどこまで耐えられるかも大きな
要素だから、後方の補給を叩くのは止む無しとして、これ以上の
戦争拡大は抑止されねばならないんだろう。


米国のトランプ氏が大統領に就任(1月21日)し、仲介が行わ
れるまでの間に占領地域を拡大しようとするロシアの思惑も
あって、戦闘が激化する恐れが多分にあり、それをさせまいと
するウクライナも攻勢に出ている。

トランプ氏は就任前から盛んに仲介を模索し始めたようで、
取り敢えずは戦闘停止への道筋を探っているようだ。
占領地域の扱いやウクライナの領土問題と安全保障など
困難な課題が多々あり、仲介や紛争解決はそう簡単では
無さそうだが、死傷者をこれ以上増やさぬためにも、速やかな
停戦の実現が望まれるところである。