ベネズエラ侵攻__米国の狂気
3日未明、米国の軍部隊がベネズエラ(以下べ国)に侵入し、
軍施設を破壊し、数10人を殺害し、大統領のマドゥロ氏と
その妻を連れ去った。
米国は、これまでも麻薬密輸摘発と称して船舶を攻撃し、石油
タンカーを拿捕するなどしており、べ国大統領に対しては
麻薬流通などの犯罪行為に対して(米国内法を適用して)
逮捕状を出していた。
今回の事件をどう表現するかはあろうが、武力を以って他国に
侵入し、破壊と要人の拉致を行なったという意味で、侵攻作戦
だったのは明らかであろう。
米国の今回の侵攻は狂気というしかない。
そりゃぁ、麻薬を流入させるのが悪なのは事実、人権侵害も
良くない事だろうが、武力でもって、国境を侵し、国家主権を
蔑ろにし、人権を蹂躙するのがそれ以下でないのは明らかだ。
明確な国際法違反であり、ウクライナ侵攻、ガザ侵攻と同列の
犯罪行為である。
背景は真っ黒、黒の黒ですなぁ。
今回の軍事侵攻で、独裁政権が崩壊しそうなわけだが、米国は、
安全な政権に移行するまでの間、べ国を管理するという。
これまでの反米政権を壊し、親米政権を作ると。
べ国は世界トップクラスの埋蔵石油があることで知られる。
米国はこれまでも石油利権に絡んできたが、反米政権で思う
ように行かない上、最近、中国とロシアが触手を伸ばしてきた。
これを排除するのも大きな狙い。
中南米は米国の影響下になければならないというのは殆んど
米国の国是だからねぇ。
オレのシマを荒そうとすりゃ、どうなるか分かっとるやろな。
過去にも似たような事件は多々発生している。
パナマ、ペルー、グアテマラ、コロンビア・・・・・・・。
「米国」「中南米」でググれば、何ページもの記述に出会うだろう。
介入、保護国化、反共等々、米国の国益を主張し、行動し続けて
きている。
パナマ事案では要人を拉致してきて米国法で断罪しているし、
キューバ危機(ソ連の核ミサイル搬入阻止)はその典型例である。
トラジイ政権の不都合隠しの一面もあるな。
国内問題(インフレ、雇用など)、秋の中間選挙、エプスタイン
問題など、喫緊の課題が山積だし、支持率も低下中。
米国人は最少被害で最大戦果ってのを大歓迎するからなぁ。
べ国は前のチャベス大統領の時代から反米色が濃くなり、米国の
手引きによるクーデター騒ぎもあり、経済制裁で経済が破綻し
かけたり(2021年には100万倍のハイパーインフレ)、
厳しい国家運営の末に出来たマドゥロ政権は反体制派を抑圧し、
麻薬と石油を梃子に何とか運営してきた訳だ。
そして、その間に迫害を受けたり、破綻したりした多くの民間人が
国外に逃亡した。
その数800万人といわれ、現在の人口は3000万人程度。
独裁といえども、単独の強権組織でもなく多頭的な政権だから、
1人を排除しても一気に民主化するわけでもなさそうだ。
副大統領が代行することになろうが、一応は米国に協力する
姿勢は見せている。
さて、今回の侵攻の影響や如何に?
すぐに何かが変わる訳ではなかろうが、米国に対する信頼は
大きく揺らぐことになるだろう。
欧亜ではリスクを取らないが、裏庭は死守することが鮮明になった。
中南米では、軍事独裁政権に対する反発や貧富の格差拡大が顕著で、
社会主義的な政権が続々誕生している。
どれもが反米という訳ではないが、一定の距離を置く国が増えた。
また、そこを突いて、中国の影響力が徐々に拡大している。
今回、ヤッパリ米国は思い通りにならないと拳を上げるってことが、
如実に示されたが、それは必ずしも米国に有利に働くとは思えない。
自国の経済活性化を米国寄りでやるべきか、中国寄りでやるべきか
それぞれの国が模索を始めることになると思われる。
以下、ワシの妄想。
べ国はいわゆる資源大国で、持っている国である。
気候は温暖で地政学的位置は南米でもベスポジと言えそうだ。
大人しくまじめに働けば、世界に冠たる一等国になり得る要素が
あるはずなのに、なぜこんなに山っ気が多く、血の気が多いんだ
ろうね。
スペインに征服され植民地化したことが大きいのかな。
大航海時代の荒っぽいスペイン人の血が色濃く残っているんだ
ろうか。
マドゥロ大統領自身もメスティーソだというし。
米国や中国と上手く付き合えれば、資源開発による膨大な富の
恩恵がある筈だ。
資源はあるが技術の無い国が資源を国有化すればどうなるかを
絵に描いたような失敗国になったのは、卓越した政治家が居ない
ということなんでしょうね。