#7 日銀の利上げ、説明責任を果たせ!
9月18日、日本銀行は金融政策決定会合を開き、政策金利を
それまでの1.0%程度から1.25%程度に引き上げると決めた。
「基調的な物価上昇率」が物価安定目標の2%を超えて高まって
ゆく(将来の)リスクに対応するとしている。
日銀の政策目標は物価を2%程度に安定させるということだが、
日銀の金利操作だけで達成できるはずはなく、世界情勢や日本の
政策も大いに影響があるはずだ。
高市内閣は「物価安定」と「強い経済への貢献」という2本柱を
日銀に求めている。
さて、物価指数はどうなっているのか?
コメ価格が暴騰していた昨年末頃は3%に近い上昇率だったが、
ここ半年ばかりは日銀のインフレ目標の指標である「生鮮食品
及びエネルギーを除く総合」は1.9%とインフレ目標2%に達して
いない状況である。
国内需給バランスを最も的確に示すCPIであるコアコアにしても
対前年比1.4%から少しだけ上がって1.9%になったばかり。
金利上げは「強い経済」には逆行する動きであって、今、この
タイミングで日銀がそれを冷ます行動に出るのは理解不能だ。

利上げはインフレ対策なのであって、日本国内はまだインフレ
とは言えぬ状態である。
今の物価高はひとえに海外発なのは明らかだろう。
日銀が金利を上げたいのには大きく二つの理由がありそうだ。
①あまり低い金利だと政策金利で調整するという手段が限られる。
②日米金利差が大きくなりすぎ、円安を加速しかねない。
そもそも為替は日銀の所管ではない(管轄は財務省)。
そして、昔に比べて海外生産が増え、円の需要が少ない。
安い調達コストで円を買い、ドルに換えて投資する円キャリー
トレードの標的にされるなど、投機的な動きが出やすいという
こともあるんだろう。
為替は為替相場という言葉がある程に、投機筋に狙われやすい
市場なんだな。
実需よりも思惑で動く場面が大きい。
だから、あまりの円安には財務省が米国と協調して介入し、
阻止する行動に出る
先日の介入では数日で6円/ドルも上がったし、米財務長官の
「市場に無い情報を知っている」発言「だけ」で一気に円高が
進み、ドルが154円近くまで買われた。
米国もあまりの円安は自国産業へのダメージが大きいから容認
する筈もなく、今後も財務省と協調した介入が行われるんだろう
から、日銀の利上げの理由にはなるはずもない。
金利上げの不都合は様々にある。
Ⓐせっかくデフレを脱却しつつある日本経済に冷や水を浴びせる。
Ⓑローン金利などは直接的に影響を受け、支払額が増え、家計を
圧迫する
Ⓒコロナ禍で棄損した需要が戻って来たのに対応すべく、企業が
力強い設備投資を始めているのに、その活動を妨げる。
Ⓓ人手不足は外人頼みでなく、生産性改善によるべきなのに、
効率化投資に二の足を踏む

等々、不都合なことが多すぎる。
好都合なのは昨今の物価高騰が一時的にでも、少しは収まる
のかなということだが、これは圧倒的に原油高や為替の影響の
方が大きい訳で、利上げの理由にはならぬことは先に述べた通り。
何でこのタイミングで利上げするのかは理解に苦しむが、国民の
生活なんか考えてる節が無く、日銀の組織的自己利益が優先され
ているんじゃないのか?
このマインドを変えるのは政治的圧力や財界からの声なんだろう
けれど、それはほとんど聞こえてこない。
国民が苦しむのは仕方が無いってか。
もちろん政策金利が1.25%なんてのは平時には何でもない
数字ではあるが、旺盛な需要→低調な設備投資→企業利益減→
給与上がらずで、市中金利3~4%を上回る賃金上昇なんて
遠く霞んできたな。
問題は今後にもあって、次の会合でもまた金利上げしそうなこと。
政策金利を調整手段としたいとならば、3%程度までの利上げを
視野に入れていると思えるんだが、一体何を考えてるんだか。
国民の声をもっと謙虚に聞く組織にはとてもなりそうにないな。
