
#4 日本列島がビショビショですね
例年ならこの時期、天候は安定し、空気は澄み、カラッと
した秋空が広がって、いかにも秋になったなって日が続く。
今年は様相がまったく違っていて、何とも鬱陶しい日が
延々と続いている。
長いこと気象を詳しく見てきたし、季節の移り変わりも
観察してきたけど、こんな年は過去になかったと思う。
で、なぜこんなことになるのかを私なりに分析してみた。
前に、下記記事を書いた。
実際に発生した台風の数は9月9日時点で既に24個を記録
しており、過去15年間で最も多かった2018,9年に
迫るというか、それを越えそうな発生数となっている。

上陸はというと、これまでにまだ2個を数えるのみである。
沖縄に襲来した台風は何個かあるが、島嶼部への到達は上陸
とは言わないので、4島へは2個だけということ。
通常の台風は赤道付近で発生し、暖かい海面を渡ってくる間に
発達しながら、台湾近海に到達し、太平洋高気圧の西の縁を
回って北上し、ジェット気流に乗って一気に東進して過ぎる。
今年6月初めの頃の台風6号がその典型である。

台風がもたらす暖かく湿った空気は台風と共に一気に東方へ
運ばれ、過ぎ去った後はいわゆる「台風一過」の晴天となる
ことが多い。
今年は太平洋高気圧の勢力が強く、広範囲にわたるため、
その後の台風はこれにブロックされ、北上できずに一方的に
西へ流されて行くものが多かった。
次に上陸したのは8月になってからのことである。
記憶に残る異常な経路を進んだ「逆走台風」15号がそれで、
高気圧の隙間を縫って西方に進み、茨城県に上陸後、そのまま
福井県へと進んで日本海で熱低になった。

ここで問題になるのが、台風が運んでくる大量の暖かく湿った
空気なのである。
偏西風が強ければ、元々こういう経路は取らない訳で、台風を
東に流す風が弱すぎるのだ。
すると、温湿空気はその経路上に停滞してしまうことになる。
そして、この時期になれば大陸が冷えはじめ、高気圧が冷気を
押し出して来るから、日本列島上空で温湿空気と北の冷気が
混じり合うことになる。
それがいわゆる秋雨前線であるが、通常なら北の冷たい
高気圧の発達より南の暖かい高気圧の衰えが早く、前線を
早い時期に南に押し戻してしまって、短い時間で前線が
消滅してしまうんだが、今年はそれが長い間拮抗した状態で
居座っている。
また、南北の気温差も大きく、数℃の差ではなく、5~7℃
ほどの大きな差となっている。
その結果、前線の影響範囲が広く、降雨域も広い上、前線付近
に発達する積乱雲も強く発達し、豪雨となってしまうようだ。
要約すると、大量の温湿空気がある所に強い前線が出来、南北
温度差が大きいため強い雨が降るという構図になっている。
ま、温暖化と言えばそうなんだろうけど、まだまだ南の高気圧
が強く残っていて、大雨を誘発しているということかな?
これが千葉県域に豪雨被害をもたらしたわけで、台風の通った
福井県や岐阜県域にも同様の豪雨をもたらした。
その後、9月初めに接近した台風24号は沖縄近海で迷走
した後、熱低となって本土に向かったが、大量の温湿空気を
伴なったまま、四国、近畿地方へ向かった。

これが前線に供給された結果、四国から中部地域に至る広大な
エリアで、大量の降雨となり、名古屋などで広範囲の浸水被害
をもたらした。
予報屋泣かせの難しい気候現象だったと思う。
気温も、前線が南下すれば寒々とした曇り空、北上すれば
蒸し暑い夏の曇り空で、翌日との気温差が5~7℃も違うから、
着るものを調節し、体調を整えるのに苦労する
さて、この状態はまだ少し続きそうである。
現在、大陸の高気圧がやっと1020hpを越える所まで
強まってきた。
一方、太平洋高気圧の張り出しは依然強く、前線は列島付近に
居続けている。

1週間もすれば、大陸はグンと冷え込んでくるだろうから、
高気圧も勢力を増し、1030hpに迫るだろう。
そうなってはじめて、秋雨前線は南に押しやられ、やっと
待ち望んだカラッとした涼しい秋空となるんだろう。
昔の人はよくぞ言ったもんだ、「暑さ寒さも彼岸まで」。
あれこれあった厳しい夏だったけど、あと少しで、いつもの
秋が来る事でしょう。