皇室典範改定で凌いだが今後も微妙 | 悠釣亭のつぶやき

皇室典範改定で凌いだが今後も微妙

この記事を上げるにあたり、明らかにしておきたいが、
私の立ち位置は右翼ではないし、左翼でもない。
立ち位置は
ここに示す段階の、一寸左④の位置である。

そして、この記事に関するご意見は百人百様であること
は承知しており、議論しても平行線になるので、時間の
無駄と思うから、今回はコメ欄を閉じます。



17日、改正皇室典範が参院本会議で、自民党と
日本維新の会の与党などの賛成多数により可決、
成立した。
主な改正点は二つ。

①女性皇族は皇族以外の男子と結婚した場合に
 「皇族の身分を離れる」とした規定を削除。
 結婚後も 皇族の身分を保持し、皇室に残れる。
 女性皇族が結婚した場合、一般国民と同じ住民票が
 作成され、夫と子どもは皇族にならず、一般国民
 として扱われる。

②旧宮家出身の男子を養子として皇族に迎える規定が
 盛り込まれた。
 47年に皇籍離脱した旧11宮家のうち、配偶者と
 子がいない15歳以上の男系男子に限り、養子縁組で
 皇族となることができる。
 これまでは、血統を重視する皇族の存在を混乱させ
 かねないとして認められていなかった。
 養子本人は皇位継承資格を持たないが、その子孫
 には資格を与えることとなる。

ま、妥当な改定と言える。
日本人全体の扇の要たる天皇制がかろうじて維持される
希望が残ったというべきかもしれないが。
世間では、天皇の地位を脅かすとか、女性天皇の道を
閉ざすとか、意見が湧いているが、古来からの不文律を
明文化したものに過ぎないんだがと言えそうだ。


憲法1条 天皇の地位は、主権の存する日本国民の
総意に基く。
ということで、何を以って地位を脅かすというのか
理解に苦しむ。

また、憲法2条 皇位は、世襲のものであつて、
国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、
これを継承する。
となっており、国民に選ばれた代表の多数の賛成で、
成立した合法的なものである。

やり方に少し強引さはあろうけれど、10年余の議論
に対して、時間がない中でやっと決断したということ。
まずは皇統の継続性に点いていた赤信号が黄信号に
変わったってところかな、


世間では、愛子天皇待望論が盛んだが、それは有り得
ない。
皇統の継承は人気投票ではない。
1代限りの女性天皇ならまだしも、女系天皇は不可。

そして、既にある皇位継承順位を変えるのは、不可能
ではなかろうが、上と相俟って、天皇制の根本を変える
大変革で、それこそ、議論が纏まるはずもない。

賢くて、上品で、嫌味が無いから天皇への道を閉ざすな
というが、もしそうなら、ご結婚後も皇室に残り、
国事に邁進されればよい。
その道を残したのが上記の①なんだな。


「男系男子による」は何千年も続く不文律であって、
父親を辿れば初代神武天皇に行き着く。
明治憲法で成文化されたものであるが、昔の人は
遺伝的形質が男系に強く表れることを体感していた
ということに他ならない。

でないと、配偶者が政治的権力を持ってしまうリスクが
あるからだ。
昔には弓削の道鏡の事件があったし、もし仮に愛子さま
が天皇になり、小室某のような夫が付き、その子が天皇
を継承するとなると、最早それは一系ではなかろう。
馬の骨やろ。


戦前の天皇主体の政治といえども、業績は天皇の資質に
だけよるものではない。
しかし、万世一系を保持し、堅固な取り巻きが固める
ことで、いつの世にも権威を保持してきた。

天皇家は古来一貫として国家の象徴であり続け、そして、
権威を持つが権力は持たなかった。
権威とは政治を指揮(決定を承認)し、公僕を任命する
が政治には口出ししないこと。
これは今も同じこと。

また、国の平和や国民の安寧を祈る祭祀を執り行うことも
権威を補強してきた。
結果として、平安の世も、戦国の時代も、武家の時代も
権威が保持されてきた。
そして、権力は権威に逆らえないから、長きにわたって
「君臨すれども統治せず」が機能してきた。

他の国々を見るが良い。
皇位を巡って血で血を洗う熾烈な争いをやり、皇帝を
ギロチンに掛け、革命と称して権威を消滅させてきた
国々がどれだけあるか。


不文律として、旧皇室典範として、頑なに守ることで
皇統が維持されてきた。
しかし、戦後の宮家断絶を経、昨今では、民間規定の
一夫一妻制を守ることで万世一系が危うくなったのが
今回の発端である。

明治天皇が危惧された皇統の維持と、そのための
11宮家の指定を講和後に復活出来なかった不明が
今の混沌を生んでいるだけで、政治家がいかに先見性が
無いかをよく示していると言えそうだ。


近代の法体系では、民主主義は多数決?や男女平等で
あるべき?などが重要視される、
それはそれで結構なことなんだが、少なくとも天皇制を
維持しようとするなら、そういう物差で測ろうとする
こと自体が間違っているように思う。

皇統の維持は数千年にわたるが、近代法体系はせいぜい
数百年の歴史。
価値観の問題ではあるんだが、新しい法律で過去の
決め事を裁定する愚かさだけは避けたいものだ。

例えば、共産党支配下の中国では天皇制は有り得ない。
同様に、女系天皇容認論は日本古来の天皇制廃止論と
言えなくもない。
今回の改定にいろいろとイチャモンをつけるのはそれが
目的かなと疑ってしまう。
ま、民主主義だから意見を述べるのはそれで良いんでは
あるのだが。

振り返って、なぜ日本国の皇室が世界で敬愛されるのか
考えてみると良い。
世界中で唯一男系男子による万世一系が守られている国
だから。
皇帝を暗殺したり、革命でギロチンに掛ける国柄では
ないから。


今回の改定で、八方すべて良しということにはならない
のが問題ではある。
先に、赤信号が黄信号に変わっただけと書いたが、それは

A.11宮家から養子に出る人がいるか?
 80年前に離脱し、すっかり民間の生活に慣れた人が
 いきなり皇族の中に溶け込めるのか?

B.それを受け入れて天皇教育を行う受け皿は出るか?
 受け入れる宮家も極く限られるし、年齢も高い。
 成人し、皇統を継げる迄の教育が十分に出来るのか?

どちらかでもNoなら天皇制は崩壊する可能性が高まる
わけで、まだまだ予断を許さないのが現状なんだろう。
天皇制を維持するのが難しくなるほどに、その希少価値
に世界が注目するわけだが、今回の改正はそのかすかな
一端に過ぎないようにも思う。