
税金は国政の財源か?
この問いに対する直接的な答えは、「NO」でしょうね。
①国を始める時、まだ税収が無いのに、国政の費用は必要。
即ち、国が金を使い、それで経済が回り、結果として
税が徴収できる。
また、今年度の税収は今年度使えない。
②経済の良し悪しで税収は大きく振れるが、国政の費用は、
大小あっても、ある額が必要。
パンデミックや自然災害で税収が激減しても、歳出は
減らせないし、むしろ増やさねばならない。
③会社も同じだが、収益事業を行うにあたり、必要なカネは
借金してでも調達しなければならない。
限られた税収だけに頼った歳出(PB黒字化等)では
大きな成長は望めない。
④他に大きな収入がある場合(産油国の石油収入など)、
税金は不要となるが、下記の税の目的を達成するための
方策は別途必要になる。
では財源は何か?
国債による資金+税収というのが正解なんだろうか。
国債は悪、借金は返さねば、子や孫に返させるのか!等々
ネガキャンは多く聞かれるが、税を増やしたい人達が庶民の
無知に付け込んだ悪意のある嘘の流布というしかない。
税の本来目的として、3点があげられる。
①お金の再配分・・・高所得者から所得税などを多く取って、
低所得者に補助金などとして配る。
②スタビライザー機能・・・景気の良い時は所得税や法人税が
増え、悪いと減って、税の公平感が生まれる。
③目的税・・・タバコを吸わせぬよう高い税をかけるなど。
国債が民間のカネを集めた借金という考え方がそもそも変
なんだが、ではどういう風に資金が調達されているのか。
どういう風に返還されるのかを考えてみる。
政府が国債を発行し、個人、法人、銀行、基金、組合などが
それを買うということだが、個人などのおカネで直接国債は
買えず、日銀に当座預金口座を開いているものだけが購入
できる。
だから、個人で買う場合は小口に分けた国債を銀行などから
買って、銀行が日銀との間で決済する訳だ。
国債を買った銀行などは、日銀当座預金口座に相当額を
振り込み(金を振り込むのでなく、金額を記録する)、
日銀は国債購入記録を発行する。
この間、実際のおカネの動きはまったく無い(記録だけ)。
そして、例えば、100万円の5年国債を買ったとして、
利回り0.5%だとすると、100×0.005=5千円
の利子が付くわけだが、これが毎年1千円ずつ日銀から
口座に振り込まれる。
5年経ったら、当座預金に振込記載された金額が消滅し、
同時に購入記録が消される。
何もしなければ、当座預金口座に利子だけが残ることになる。
即ち、政府は利子分だけ支払えば、国債額面の金額が調達
でき(上記のように、毎年1千円払えば、100万円が運用
出来)、その期間運用できるし、銀行は口座さえあれば、
何もしなくても利子分だけが増えるという仕組みになってる。
期間が満了しても資金運用は続けたいという場合、同額の
国債を再発行すればよい。
また、既発行の国債の約半分は日銀が保有しており、この
部分に対する利子は国庫に還流されるから、実質無利子の
融資と変わらない。
より安い金利で、多額の資金が運用できる状況にある。
こうして集まった資金は税金と共に国庫の資金となる。
一方、政府による財政支出は、例えば、国道を作る場合、
業者を競争入札で選んで発注、仕事が終われば対価として
手形を振り出す。
業者はその手形を銀行で現金化し、銀行はその手形を日銀に
納めて口座に対価を記録してもらうことで歳出が完了する
こととなる。
その他の歳出も同様の経路で日銀の当座預金から歳出される。
こうしてみると、政府は財政資金運用に際し、利子分以上
の運用益を確保できさえすれば、いくら国債を発行しても
良いということになるが、市場に投入する資金が増えすぎ
ると、極度のインフレになる恐れがあり、それが上限の
歯止めとなる。
逆に言えば、極端なインフレを招かぬ限り、国債の発行
には制限はないから、その分税金を少なくしても良いこと
になる。
もちろん、自動車などのように世界で稼ぐ企業が増えると
法人税が増えるから、所得税などを減税することも可能に
なる(産油国が低い税であるのと同じ)。
成長戦略が必要な理由はそこにある。
だから、政府は資金運用に際し、高いリターンが望める
事業に投資すべきだし、少なくとも利子以上のリターン
を得られる事業に投資すべきなのである。
積極財政とはその意味で必要な事業と言える(下記記事)。
政府が掲げる17の重点投資分野はこれを目的とし、将来に
わたって高いリターンを得、経済成長に寄与させようとする
ものであるのは言うまでもない。
資金運用期間に制限があるんだから、早く実現をすれば、
支払う利子負担も軽くなるので、鋭意進めるべしと思う。
一方で、将来に向かって財政が改善する方向への歳入出の
配慮も必須である。
国の歳入出の状況を表しているのが国家予算。
これを詳細に見れば、どこに無駄があり、どう改善すべき
かがよく分かる。
私なりに評価したのが下記「今後どうする」シリーズ。
読者の皆様も、自分の頭で、どうあるべきかをお考え頂け
れば、もっと良い世の中になるんじゃないでしょうか?


