電線の盗難 | 悠釣亭のつぶやき

電線の盗難

最近、電線盗が頻発してるという(蛇口やマンホールを盗む金属盗
の一部として捉えられてるんだが)。
2023年には7,200件の発生が確認されており、前年の8倍に
急増したという。
特に、大規模太陽光発電施設において、大量の銅の電線が
盗まれているという。
いくつか要因があるようだ。


まず、大規模太陽光発電施設では、電流値が高いために太い銅線
が使われているから、長さ当たりの銅の量が大変多い。
という事は同じ長さ盗めば高く売れるという事。

また、電線はパネルから集められ、送電線に至る長いものになり、
大規模施設では数千mにもなる。
盗む方には効率が良い訳だが、施設側の被害額は数千万円に
上るという。

そして、多くの太陽光発電施設が郊外の人通りの少ない僻地と
言われるような場所に設置されており、敷地面積が広いので、
防犯設備が行き届かない。
機材を搬入したり、点検するための道路が隣接していてアクセス
しやすい。

関東近辺では山梨、埼玉、群馬、茨城、栃木、千葉の各県の
被害が特に多い。
県別の被害総額を見ると、山梨県1億9000万円、埼玉県
6億7000万円、群馬県は14億円となっている。

ある施設では、盗難に遭って修復した直後に再び被害に遭ったと
いう所もあり、また、盗難に遭って修復中に他の電線を盗まれた
という所もあった。
窃盗グループがあちこちの施設を順繰りに襲っているという事。

国際的な資源価格の高騰に伴って、銅の価格も高騰しており、
手軽に大量の銅線が手に入るとして、大規模太陽光発電施設が
狙われているようだ。





警察では保険会社と連携してセキュリティーシステムの強化を
進めているようだが、一気には進まず、未整備の所が狙われる。
窃盗団がいくつもあるようで、進入の仕方や切断搬出の手順など
非常に手際が良いという。

最近、栃木県で逮捕されたカンボジア国籍の男に至っては、
4つの太陽光発電所に侵入し、合わせておよそ770万円分の銅線
ケーブルを盗んだとして、4回も警察に逮捕されているという。
何でこういう輩を早く国外追放しないのかも問題だ。

また、千葉県の金属買取業者が、盗品と知りながら銅線を買い
取ったとして、家宅捜査を受けている。
捕まった犯人がこの業者に売ったと自供した結果であるが、本来は
売り主の身分確認が必要なのに、やらない業者も多いという事だ。

銅が高く売れるから、盗品かも知れないのを知りながら買い入れる
から、この手の犯罪が無くならない。
古物商の認可は簡単に取れるようで、レベルの低い悪質業者が
蔓延っており、買取業者も共犯と言えなくもない。


最近は銅線でなくアルミ線に変える施設も出てきているというが、
犯人側から見れば、銅かアルミ化は盗んでからでないと分から
ない訳で、抑止効果が高いとも思えない。

抑止力を高くするには、
①セキュリティー強化
②迅速な逮捕と罰則の強化
③買い入れ業の厳格化
等であろうが、どれも時間がかかる対策で、即効性があるとは
思えず、まだまだ被害が出るように思われてならない。


敷地内で猛犬を放し飼いにするのが一番手っ取り早くて実効が
上がると思うんだが・・・。
なかなか難しい問題だな。




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