セキュリティークリアランス | 悠釣亭のつぶやき

セキュリティークリアランス

27日、政府は閣議において、経済安全保障上重要な情報に
アクセスできる人を、国が信頼性を確認した人に限定する
「セキュリティークリアランス(SC)」制度の創設に向けた

法案を、導入することを決定した。

4月9日にはこの法案が衆院を通過している。


SCとは政府が保有する機密情報にアクセスする人に対して、
その任に当たるのが適当かを調査し、認可を与えるもの。
今までは、特定秘密保護法の範囲で、政府関係者と防衛関係
などの仕事に当たる一部の民間人に限定されていたが、
これを拡大し、一般の民間人にも範囲を広げるというもの。


ま、遅きに失したきらいはあるが、これで世間並みの対応が
可能になるんだろう。
今までは海外との共同開発などにおいて、SCを持っていない
として日本人が疎外される事例があったが、改善されるだろう。

秘密を扱う海外機関や団体に日本人が参加しようとしても、SC
の無い人は漏洩防止義務を負わないから、危なくて参加させ
られないというのが欧米の常識だったわけだ。


で、問題になるのが秘密情報って何だって事。
秘密は、秘密であることが認知されるのを最も嫌うものだから、
これとこれが秘密ね、と言えば、暴こうとする者にとっては狙いが
定めやすくなるからね。

法案ではサイバー攻撃に関する情報や、物資の供給網=
サプライチェーンのぜい弱性に関する情報など、漏えいすると
日本の安全保障に支障を与えるおそれがあるものとしているが、
ここを抑制的に設定しないと、何でもかんでも秘密扱いとなれば、
罰則が恣意的に使われかねない。

もちろん、今後、新たな技術開発の機会が多々出て来ようから、
その都度、秘密情報の加除改変は行わねばならんだろう。
その範囲を決める事が客観的に十分監視される必要はあり
そうだな。


情報取扱者の信頼性の確認にあたっては本人の同意を前提に、
国が、いわゆる身体検査、家族や国籍、犯罪歴の他、薬物や
飲酒に関する情報、経済的な状況などを調査するという。
ま、プライバシーをサラケるのは困るという人はSC取得は出来
ないし、そういう仕事に就いてはいけないという事。

民間企業の職員などが海外の政府調達などに参加する場合、
SCを得ている事で、参加の障害は無くなろうし、相手側の
安心感があるからこそ、対等の仕事が可能になるだろう。
多くの海外ビジネスにおいても同様の状況である。


もう一つの要注意点は、その人がSCを持つか否かをどう
確認するのかという事。
容易に判明すれば、サイバー攻撃やハニートラップの対象に
なるのは明らか。
ま、この辺は実績のある欧米の制度に倣うしかないのかな。


スパイ天国とか情報ダダ漏れとか揶揄されてきた日本国も
やっとこさ、欧米並みの情報管理が出来るようになるのかな。
ま、これに関係する日本人は極く限られているとは思うが、
高率の良い、恣意的運用でない、公正な秘密保護が強く望ま
れるところである。