硫黄温泉
北関東から東北南部にかけては那須火山帯が広がっている
ために温泉がとても多い。
日光、那須、塩原、水上、草津、伊香保等々、名だたる温泉が
あまたある。
ワシは昔から山登りが趣味だったから、下山後の温泉がとても
楽しみだった。
今は山登りはもう無理だけど、温泉は相変わらず好きだな。
温泉の泉質は千差万別だ。
単純温泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、硫黄泉、ラジウム泉等々。
こういう風に色々なミネラル分が含まれてるから、身体が温まるし
冷えにくいんだろうね。
ワシは中でも硫黄泉が好きなんだな。
硫黄と言っても、硫化水素が含まれるから、少し卵の腐ったような
臭いはするんだが、この臭いが少ないほど好ましい。
白濁した硫黄泉ならいう事無し。
硫黄泉に入ると、いかにも温泉に入ったって気がする。
身体の温まり具合や冷めにくさも、これが一番だろう。
単純泉なんて、家の風呂と変わらんように思えるくらいだな。
先日、久しぶりに、日光近辺の硫黄泉に行ってきた。
近くに行くだけで、車の中にまで硫黄の匂いがしてくるほどで、
駐車場に入る前から、温泉に来たぁーって気分になる。
温泉の浸かり方は色々蘊蓄があるようだが、ワシはあまり気に
しないな。
長湯するとのぼせるので注意するくらいかな。
そして、熱いめの湯なら肩を出したり、腰までしか浸から
なかったりと、体温調整する。
暫く浸かったら、上がってしばらく冷やす。
冷めきらない内にまた浸かる。
これを3~5度も繰り返せば、堪能する。
運転手が居れば、小瓶を一本楽しむんだが、いない時は甘くない
炭酸飲料を頂く。
すっかり良い気分になって帰途に就くんだが、大抵の場合、
近くの道の駅なんぞに寄って、地元の特産物をお土産にする。
ご丁寧に、温泉饅頭なんぞも売ってるから、重宝する。
硫黄温泉の一番の良いところとワシが感じているのは、実は、
家に帰ってからなんだな。
晩御飯も済ませ、一献傾けてゆったりした後、風呂に入る。
すると、あらら、硫黄温泉の香りがするんですわ。
恐らく、身体の隅々に残留した硫黄分が暖かい湯に溶けだして
来るんだと思うんだが、先刻の温泉が思い出されるって訳。
ひと風呂で二度楽しめるのもワシが硫黄温泉こそが温泉って
感じる所だな。
他の泉質では味わえない醍醐味。
また、近々に行きたくなるもんな。