火力発電所の火災 | 悠釣亭のつぶやき

火力発電所の火災

1月31日、愛知県武豊町の武豊火力発電所で爆発が起こった。
運営するJERA(ジェラ)によると、5号機(出力107万キロワット)の
燃料を燃やすボイラー付近で発煙があり、燃料(石炭・木質バイオマス)

を運ぶベルトコンベヤーでも火災があったという。

JERAは東京電力ホールディングスの子会社と中部電力が折半出資する

火力発電会社である。
武豊火力発電所では、もともとあった3基のボイラーを老朽化で
取り壊し、大型の1基に建て替えたボイラーで2022年8月から
営業運転していた。


この事故の原因は調査中で、その内に原因らしきものは分かるん
だろうけど、ワシが注目しているのは、この発電所が木質バイオ
燃料を使っていた事。

バイオマス材料として、これまでに実用化されているものは
生ゴミを発酵させて作るアルコール燃料、サトウキビ、稲藁などを
原料とする新素材プラスティック材料、そして、山林木質材や
製材残渣、解体家屋の木材などを原料とする木質バイオマス燃料。

中でも、木質バイオマス燃料は今後の活用を大いに期待している
所である。
山林木質材料は間伐材、下ろした枝、下草など今までは不用品
扱いのものだが、燃料として使うことが出来る。
おがくずや端切れ材も然りだし、解体古材などは処理に困ってきた
ものが燃料になる。

これらを粉砕、乾燥し、少量の接着剤を用いて圧縮固化して、
持ち運び容易な木質ペレットを作る。
これを燃料としてボイラーで蒸気を作り、タービンを回して発電
するということだ。


バイオ燃料はいくら燃やしても、出て来る炭酸ガスは本来植物が
空気中から固定したものだから、それを自然に返すだけで、
化石燃料のように炭酸ガスを排出した事にはならない訳だ。

国内では、2021年時点で、計512カ所、303万kWのバイオマス
発電所が稼働しているというが、今は石炭や天然ガスとの混合で
エネルギーを出している。
これが完全に木質燃料になれば、炭酸ガス排出がゼロになる。
それどころか、エネルギー自給が可能にもなる訳だ。


ワシが前から考えていたのは、
①日本の山林を各地域ごとに40~50のエリアに分ける。
②1から順に毎年、そのエリアの木材を伐採し、材木として売り物に
  ならないものを燃料化する。
③その後に植林を行う。
④これを毎年順々に進めて行けば、40~50年ごとに循環する
  完全循環型発電が可能となる。
⑤もちろん、間伐材や下ろした枝なども燃料化する。
⑥地域ごとの発電所がその地域の電力を賄う。
⑦地域のサイズは発電所当たり年間の燃料供給に見合う広さで
  決める。

このような大規模な計画が行われれば、日本国にとって計り知れ
ないメリットがある。
国産エネルギーの他に、国産材が見直されるだろうし、山林整備も
行なわれるようになる、結果として洪水や山崩れなども防げるし、
獣害対策にもなるし、経済にも大いに寄与するだろう。、
50年サイクルなら旱魃や多雨にも十分対応可能だろう。
樹種によっては30年サイクルでも可能になろう。


ということで、今回の事故原因の特定は大変重要で、もしバイオ
燃料に原因があるとするなら、早急な改善で、安全に使用できる
ようにすることが必須になる。
今回の事故で、この技術に?マークが付くような事にはならぬよう
関係者の努力を大いに期待している。