ある和菓子の記録 | 悠釣亭のつぶやき

ある和菓子の記録

ワシは果物以外にあまり甘いものは食べないのだけれど、
時折、濃いコーヒーなどを飲んでる時に、何かちょっと摘まむ物
があると良いなって思う時がある。

んで、今回はそんなものの中から、この辺りのちょっとした和菓子
のお話を書いてみた。
普通のいわゆる和菓子ではなく、ちょっと変な?というか、
風変わりな和菓子の事です。


北関東に、高林堂という和菓子屋さんがあるんですよ。
もちろん和菓子屋さんというからには、伝統的な日本のお菓子も
当然あるし、それはそれで美味しいんですが、これはね。

名前を「友志良賀」と言います。
「お前100まで、ワシャ99まで、共に白髪の生えるまで」にある
共白髪から来た名前だと思いますな。
100や99にもなれば、白髪も無くなると思いますが、それは
それで。




このお菓子、結婚式の引き出物に出されることが多いようですが、
製作数が超少ないとかで、予約販売だそうです。、
たまたま、数量外のが一つだけ残ってまして、偶然に手に入った
ものなんです。
ラッキー(はぁと)。


中を見ると、こんな風になってます。
何やらザラメにまぶされた白い短冊状のものがビッシリと。
干瓢が原料ですから、白いのは頷けますが、ザラメは何?
ま、白髪の束に見えなくもないですかな。
元々、共白髪って麻の繊維の束の事ですもんね。


 

由緒書きが入ってまして、それに述べるは、仲哀天皇(14代)や

仁徳天皇(16代)の頃から、干瓢は滋養のあるものとして栽培
され、食卓に上って来たが、高尚風雅な菓子として調整したいと
思って作ったとあります。
んで、天皇陛下に献上し宮内庁がお買い上げになったとか(↓)。


 

その一本を取り出してみますと、こんな風な食べやすい形に
なってます。
幅1.5cm、長さ20cm、厚さ1mm位ですかな。





さて、お味の方はと言いますと、これがまた微妙です。
砂糖菓子だから甘いのは当然なのですが、結構繊維質で歯応え
がありますな。
んで、ほのかに干瓢の味がしますな。

普通に食する干瓢は寿司ネタか昆布巻の帯で、甘塩っぱい
んですけど、これは甘々です。
かといって、ドライフルーツのようでもない、何とも表現が困難。
高尚風雅かと問われれば、うーん?と答えるしかない。
不思議な味のお菓子というしかありませんな。


そして、高林堂ではもう一つのこの辺では有名なお菓子を買い
ましたとさ。
それがこれです。




「かりまん」という名のお菓子です。
何やらいかがわしい響きも感じますが(^-^)、実はかりんと饅頭
の略だそうです。

中身はこんなものです。
温泉饅頭風な佇まいですが、食感はまったく違います。
外皮がカリカリなんですわ、その名の如く。
んで、味がかりんとうのような感じで、中には漉し餡が詰まって
いるんです。
これがさほどには甘くなく、程よい甘さで、日本酒のお供にしても
問題ないレベルなんですな。
ま、不思議な食感とお味って所ですかな。





このお店、支店が幾つかあって、どこででも普通の和菓子が
買えます。
友志良賀は多分本店だけでしょうし、予約しなければ買えない
のですが、かりまんは何時でも買えますな。
不思議な和菓子のお話しでした。