米中首脳会談 | 悠釣亭のつぶやき

米中首脳会談

15日(日本時間16日)、サンフランシスコ近郊において、米国、
バイデン米大統領と中国、習近平国家主席との会談が行われた。
中国は経済状況が悪くなると必ず軟化して、話し合いを求めるが、
今回もその流れなんだろう、APEC開催中としてもね。


大きな議題としては、
①経済交流の拡大
②台湾問題
③不慮の衝突回避
④その他
なんだろうが、基本的な所で、大きな歩み寄りは難しいんだろう。

①は一番やりやすい問題かもしれない。
今や、米国の貿易相手国としては1位だった中国は3位にまで
落ち込んでいる。
グーグルはすでに撤退したし、チャイナリスクや知財流出を嫌う
アップルやアマゾンが次々と中国市場を撤退または縮小して
いるし、半導体の輸出は禁止になっている。

中国としては投資の拡大を求めてるんだろうけど、これは簡単
ではないだろう。
見返りに、ボーイング機の購入や大豆の輸入拡大などで、米国に、
というか、バイデン氏に配慮はしても、米国側の対応が急激に
変わるとは思えない。


②については、米国は力による現状変更を行わぬよう求めるが、
中国は内政干渉だと思うし、米国の台湾への軍事支援を嫌気
しているからな。
米国も1つの中国は理解すると言いつつ、台湾法は現存するし、
民主国家陣営の仲間だという位置づけは変わらないだろう。

次の総統選挙の行方も見えにくくなっている。
野党統一候補になった事で、民進党有利の情勢が変わる可能性
が高まってきている。
もし、国民党+民主党が政権を取れば、中国寄りの政策が鮮明
になろうから、力によらない統一も視野に入って来る。
その時米国はどう出るのか?


③についても、最近の情勢を見れば、戦闘機が異常接近したり、
艦船同士が衝突しそうになったりと、危うい場面が多発している。
両国の軍事幹部のホットラインってな話になるんだろうが、事故が
起こってしまえば双方の非難の応酬になる事は自明。
中国側の最高幹部の国防大臣は現在不在だが、次の大臣とて、
中国共産党軍として、米国に遠慮するとも思えない。

そうでなくとも、中国は日常的に気球を上げたり、サイバー攻撃
したりの挑発を継続しているし、米国も表に出ない活動は活発。
不時の衝突を避けるための方策は必要だが、軍事的対立は
時間が経つほどに熾烈になるのが避けられない。


④には、合成麻薬の流通を阻止する協力などがあるが、ま、
悪人に儲けさせることを阻止するのは当たり前の事。
昔、英国が仕掛けた事が今返って来たってところかな。
あくどい事をしたのがほんの200年ほど前の話だけど、いま、
ようやく当時の中国人の痛みが分かったってところかな。


覇権を握る米国に対し、新たな覇権を伺う中国という構図には
互いに譲れぬ大きな懸案が多い。
特に東シナ海や南西諸島に於いては対立が強まっている。

本来ならば、米中間だけでなく多国家間の話し合いが必要
なんだろう。
しかし、中国は絶対にこれを拒否しているし、妥協はする気も
無いんだから、話し合いで解決する問題ではないんだろうな。


話し合いは必須だし、特に、不時の軍事衝衝突はけなければ、
大きな紛争になる恐れもある。
今回の会談をキッカケにして定常的な話し合いの場が持たれ、
相手側の考えを知る事を継続する事は大変良い事だとは思うが、
米中対立は経済的勝負でしか決着はつかないんだろうな。
だとすれば・・・。
ま、米国はこの戦争に勝ちつつあるんでしょうね。