ウクライナ情勢は?(11)__間もなく1年 | 悠釣亭のつぶやき

ウクライナ情勢は?(11)__間もなく1年

ロシアによるウクライナ侵攻から23日で1年になる。
その間、ロシアは一方的にウクライナを破壊し続け、
南東部地域を違法に占領し続けている。
ウクライナも善戦を続け、戦線は膠着状態にある。


この1ヶ月の新たな展開は何と言っても欧米による戦車の
供与だろうか。
ドイツが今までの慣例を破り、レオパルト2を供与する事を
決定した。

この戦車、欧州各国が使用しており、近隣国の戦車を
ウクライナに供与する話は前からあったものの、ドイツが
再輸出許可を出さなかったので、供与できなかった。


この背景にはドイツの危機感の増大がある。
ドイツは先の大戦で欧州各国やロシアに侵攻したという
負い目があり、紛争には直接加担しないとしてきた。
しかし、今回の侵攻で人権が踏みにじられ、エネルギーを
戦略として使うロシアに対して明確な反対を表明した。

その結果が防衛費の大幅な拡大であり、今回の戦車供与
に繋がったんだろう。
即ち、ドイツはNATOの一員として、その責務を明確に、
シッカリ果たすと。


レオパルト2は火力も機動力も世界最強レベルの戦車で、
ロシアの旧式な戦車では太刀打ちできないだろう。
使いこなすための訓練期間や、どの程度の数が供与され
るのか(一説には300輌程になるとか)など、まだ投入時期
には幅がありそうだが、数か月後には実戦配備されること
になるんだろう。
これによって、地上戦の様相が一気に変わる可能性も出て
きたと言える。


米国はこれに呼応して、世界最強戦車M1エイブラムスの
供与を決める。
これまで、米国は歩兵戦闘車や強力なロケット砲、防空
システムなど膨大な金額にのぼる武器を供与してきた。
あくまでも防衛的な戦力であったが、今回も地上戦用兵器
の供与であって、航空機などの攻撃的兵器ではない。

この戦車は最強の火力と機動力の他、戦場の管理機能も
備えており、地上戦を指揮して、他の戦車等が効率の良い
攻撃に参加できるようにする。
装甲能力も世界一の戦車である。

ただ、システムが複雑だし、タービンエンジンを装備して
いるので、補給も含めて取り扱いが複雑だ。
これから製造するというし、、訓練期間が相当に必要となる
から、実践投入には半年は必要なんだろうか。


加えて、英国も最新鋭戦車チャレンジャー2の供与を決めた。
これもドイツ戦車と勝るとも劣らぬ強者で、当面は12輌に
留まるが、大きな戦力になるだろう。

かくのごとく、ウクライナの地上戦力は格段に強化されつつ
ある訳で、ロシアの反攻が噂される中でも、地上戦では
ロシアを圧倒することになりそうだ。


今もロシア人死傷者は増え続けているが、国内に目立った
反戦行動は現れていない。
更なる死傷者の拡大をロシアは容認できるんだろうか?
死傷者が出ても、動員で補充するという考えなんだろう
けれど、国内が継戦を是とするのか?

問題は、ロシアが負け戦となった時、それをどう捉えるか
なんだろう。
あくまでもプーチンの戦争を強行しようとすれば、世界を
揺るがすことになる。

NATOもその対応策は準備しているだろうけど、小さな
拡大が取り返しのつかぬ破滅への道に突き進まないという
保証は無く、大いなる懸念であり続けるのは確かだな。
国内からのプーチン下ろしの行動が出るのが最善の道で
あるのは論を俟たないだろう。


Ref.
ウクライナ情勢は?(10)__プーチンの戦争
https://ameblo.jp/yct/entry-12784418157.html