ステルス値上げ | 悠釣亭のつぶやき

ステルス値上げ

ステルス戦闘機なら知ってるけど・・・。
見えない飛行機ですよね。
見えないってか、見えにくいってことすよね。

で、ステルス値上げなる言葉が出来たわけですが、要は
消費者に気づかれない値上げのことをいう訳ですな。
 確かに、パッケージは変えずに容量や厚さや個数を減らす事で
実質的に値上げされた商品が多くなってる。
パッケージデザインも変わって、容量が減ったものも多いな。

んで、消費者がホントに気付かないかというと、決してそんな
ことは無く、その商品をよく使っている人ほど気付くわけだ。
で、多くの人が騙されたって思うんだな。

そういえば昔も、底上げってやり方があったな。
食品容器の底を少し上げるあれだ。
食べ終わった時の不満足感は半端ないし、姑息という言葉しか
浮かばんかったもんだ。


ステルス値上げは苦肉の策かもしれんけど、シッカリと状況を
説明して価格に反映した方が良心的と感じるな。
ステルス値上げは消費者側に残るのは不信の気持ちだけ。
他に似たような製品があればそちらに移るのは必定。


一方で、石油製品は原油価格上昇につき、即、価格上乗せ
ってやるもんだから、何でもかんでも値が上がる。
ガソリン灯油は直接効くから、冬の寒さが堪える。
一番効くのが輸送費で、どんな商品にも影響が出る。

クリーニング業なんかも、石油での洗濯だし、包装のビニール
袋やハンガーなど、多くが石油製品だ。
昨今はナフサ原料のタイヤも値上げを発表している。

イチゴやトマトなど季節外れの野菜や果物は最早、石油製品と
言っても良いくらいだな。
ビニールハウスで石油をバンバン焚いて人工夏にせにゃならん。

小麦も然りで、原材料高騰で、パンやパスタはもちろん、即ラや
パン粉、うどんや蕎麦までが値上がりし、価格上乗せしにくい物は
利益が減るという苦境だ。
それでも、国産品に比べりゃ、3分の1ほどの値段だし、嫌なら
米食やぁエエだけの話なんだがな。


また、他国でも物価上昇が日本よりも激しい。
昨年12月の米国の物価上昇率は7.0%で39年ぶりの高水準と
なったし、EU圏でも先月の物価上昇率は5.0%と高い数字。
これらの国々からの輸入品の値上がりも予想される。.

ま、他国はそれなりに賃金も上がってるんだが、日本では実質
マイナスだから、物価値上げの影響はずっと大きい。
それも、エンゲル係数の大きい低所得者層に重くのしかかる。


思うに、賃金上昇を伴う適度な物価上昇なら、望ましい循環が
進行していると言えるのかも知れない。
しかし、昨今の様に、不況なのに物価だけが上昇するのは
最悪の状況だな。
亢進すればスタグフレーションへと移行してゆくかも。

物価上昇はステルスじゃなく、表に出して対策しなきゃ、警戒感が
弱まるし、対策も遅れるんじゃなかろうか。
インフレ目標ってったって、物価だけが上昇するのは可としない
んだろが。


政府は企業団体に対して3%程度の賃上げを要請しているが、
先の見えないこの時期に、応じる企業があるのか知らん。
コロナ禍中でも業績が良い一部の企業では有り得るのかも
知れんけど、大半の企業は賃上げどころじゃないでしょうよ。

成長と分配って言うが、成長はないから、・・・・・。
物価だけが上がって、どうして豊かな生活になるんかねぇ。
碌な成長戦略も無いから、この傾向は今後も長く続くんだろう。