中国、また人権問題 | 悠釣亭のつぶやき

中国、また人権問題

2日、中国のテニス界のスター選手、彭帥さん(35)が共産党幹部だった
男性に性的暴行を受けたとして(単なる不倫に見えるが、欧米では
そうは見ない)、ソーシャルメディアでこの男性を非難した。
彭さんは中国の微博(ウェイボ)に、張高麗前副首相(75)から性的関係を
もつよう強要されたと投稿した。

彭さんは女子ダブルスの元世界ランキング1位。グランドスラム(4大大会)
のダブルスで2回優勝しているスーパースターである。
中国で政治指導者に対して、このような訴えがなされたのは初めて。


当局は投稿を削除するとともに、閲覧の制限を行ったが、投稿文は既に
コピーされ、拡散した。
共産党の、すでに退任したとはいえ指導部にいた人間に対する告発は
重大犯罪として処断されるのが普通だが、今回はどうなるのか。
中国国営メディアが彭さんの「無事」をアピールするメールを公開したり、
動画を公表したりしているが、かえって懸念を深めている。

女子ツアーを統括する女子テニス協会(WTA)は公正な調査を求め、
「懸念が高まった。本人が書いたと信じるのは難しい」という声明も
出している。
また、場合によっては、「中国からのビジネスの引き揚げも厭わない」
と述べた。
国際人権団体も声を上げ、問題の拡大によっては、来年2月開幕の
北京冬季五輪にも大きな影響が出る懸念もある。

 

そのIOCはと言えば、あろうことか中国側のお先棒を担ぐ始末。
IOC会長のおバッカ氏は彼女とテレビ電話で話したが、自由な身で、
プライバシーに配慮して欲しいと言ったと言い、会談時の画像を公開
している(調査くらいしてからにしたらどうだ)。
そこには中国政府高官のIOC委員が同席し、英語で話せる彼女が
中国語で話し、高官の通訳を介して会話したと。
まったく中国マネーに取り込まれた形のIOCは本性を表したな。


さて、この事件、色々な不可思議な所がある。
その投稿が実際に本人が行ったものなのか、彼女が今実際にどのような
環境にいるのかなど、分からぬことばかり。
この中国高官が江沢民派の幹部であったこともあり、習金平派の追い
落とし作戦の一環と見る向きもある。
ならば、彼女の立場はどうなるのか。


中国においては人権は有って無きがごときものだから、スーパースターは
役に立つと思われればどんな形ででも使われるという事。
恐らく、そのような事実が有って、それをうまく利用されたというのが
ホントのところなんだろう。

問題は彼女の今後で、もし告発が事実で自身が投稿したのならば、
そのような行為は許されるはずは無く、極刑が待っているんだろう。
習派に利用されただけとしても、それを習派が認める筈も無く、
僅かに解があるとすれば、誰か害意ある人が勝手にやった仕業で、
事実無根として、ウヤムヤにされることかな。

本人が解放されたとしても、その後の言動は厳しく制限されるだろうから、
公の場に現れる可能性は低いんじゃなかろうか。
欧米人権団体の注視の元、どのように事が収束あるいは爆発するかは
中国当局の行動次第ってところかな。
中国国内では何てことない事件だろうし、国内では報道すらされてない。
ま、大変中国らしい事件ではある。