水と空気 | 悠釣亭のつぶやき

水と空気

BSで朝ドラを見た後、流れで、時折、火野正平の「こころ旅」を
見る事がある。
先日、少年時代の何とかヶ淵での思い出の話が出た。
上級生に連れられて淵に行き、高い崖から淀みに飛び込んだって。
その時、両手で股間を保護して飛び込めって言われたのに、
緊張のあまりすっかり忘れていて、〇〇が飛び出したかと思う程の
衝撃で、失神しそうになったとか。

昔のやんちゃな男の子なら、たいていが同様の経験を持つが、
今の子や、やったことが無い子や女子にはあの痛みは決して
分かるまい。
昔の子供たちの通過儀礼の一つだったのかな。
ワシも、〇打ちや腹打ちで痛い目にあったことは何回かあった。
水はそれほどまでに硬かったな。


話は全然違うんだが、空気密度は水の8分の1ほどだ。
だから、空気のクッションに飛び込むんなら、それほどの痛みは無い。
しかし、高速になるとそうは行かない。

宇宙からの帰還カプセルやスペースシャトルなんかでは、地球の
大気に突入するときに、進入角が浅いと空気層に跳ね飛ばされて
空気層に突入することが出来ない。
逆に、進入角が深すぎると、大気との急激な衝突による摩擦で、
燃え尽きてしまう。
高速では空気も相当に硬いんだな。


仮に、3mの高さから水面に飛び込むとすると、速度が7.5m/s
程になるが、これを空気に置き換えると7.5×8^2=480m/s
(マッハ1.5)程度で同じ硬さになるって事になる。

宇宙からの帰還時にはマッハ20以上にもなるから、空気は
始めは薄くて抵抗は少ないし、クッション性は有ろうけれど、遂には
岩盤のように固くなるって訳だ。
そしてそれが抵抗となって、燃え尽きる前に亜音速にまで減速
するって事になる。


ひょんなことから、宇宙船にまで話が飛んだが、昔のガキンチョの
やってたことがそのまま我が身の体験だったことに苦笑した。
今は親が居ないときに淵に飛び込むってなことは決して出来まいが。