ある飛行少年の記(3)飛行機の歴史(飛行術)
今回は飛行の歴史などを。
飛行機がどんな風に発達してきたかを聞きました。
悠「人は何故空を飛びたかったんでしょうね」
飛「そりゃぁ、鳥が自由に空を飛び、行きたいところへ自由に行ける
のを羨ましく思ったからじゃないのかな。」
悠「でも、人には翼が無いし、取り付けても動かすだけの筋肉は
ありませんよね。」
飛「その発想が人類が空を飛ぶことを拒んできたように思う。
羽搏たかなくても飛べる鳥が居るのはなぜか?ってことを突き
詰めてゆく過程で、翼を固定しても前に進みさえすれば空中に
浮けるって事に気づいた結果が人類初飛行に繋がったように
思うな。」

悠「リリエンタールまでは動力飛行でなく、滑空飛行だったと記憶
してますが、滑空機は前に進む力がないですよね。」
飛「いやいや、前に進む力はある。翼に発生する揚力をなるべく
前向きに向ければ良いってことだな。」
悠「飛び降りた勢いで前下方に進むってことですね。鳥人間の世界だ。」
飛「その通り。」
飛「飛び出せば、翼には揚力が発生するから、それを少しだけ前方に
傾けてやるんだな(頭を下に向ける)、そうすれば、その前向き
成分が推進力になるんだ。残りの上向き成分で重量を支えるって
わけだ。」

悠「そうしてリリエンタールは滑空飛行を行った。」
飛「残念ながら、操縦が十分機能しなかったから墜落死に至った。」
悠「初めての飛行はライト兄弟が行ったわけですが、それまでは
なぜ動力飛行に至らなかったんでしょう。」
飛「動力を発生するエンジンが重すぎたんだ。飛行機には軽い動力が
必要だった。ライト兄弟は自ら軽いガソリンエンジンを開発し
製作したんだ。それにしてもあの飛行機でよく飛んだと思うよ。」
悠「どうゆうことですか?」
飛「ライト兄弟の飛行機は先尾翼といって、前に水平尾翼があるな。
あれは操縦が大変難しい。例えば機体が上向いたとき、前にある
尾翼により大きな揚力が発生して、機体を更に上向かせようと
するだろ。
ちょっとでも上向きそうになったら、すかさず下向きの舵を取ら
なきゃ失速してしまう。
もちろん上向き効果が少なくなるような重心配置にはなってる
んだが、それでもそういう傾向はある。
今の人には操縦できないだろうな。」
悠「そんなもんなんですか。相当練習したから飛べたんですね。」

飛「飛行機が戦争に使えるってことを知って、飛行機の歴史は大きく
進歩したな。より早く、より高く、より多くを積んでより遠くへ
飛べるようになった。」
悠「必要な技術が開発されてきたわけですね。」
飛「空気力学は飛躍的に発展した。抵抗の少ない翼型、胴体形状、
フラップなどの高揚力装置等々、その頃発明された風洞を使った
実験で達成された。
材料面の進歩も著しかったな、超ジュラルミン、超々ジュラルミンを
はじめ、強度の高い鉄鋼なども。
エンジンでも圧縮比の増加、シリンダ数の増大、ターボチャージャ
の開発などで、高馬力化を進めたし、同時に前面面積の減少
(星形エンジンから直列型へ)、第二次大戦ではジェットエンジン
まで開発された。」

悠「悲しい歴史だけど、それらの技術が今に生きてるんですね。」
飛「確かに当時の爆撃機の技術が発展して、現代の旅客機に生きて
いることは多いな。
ジェット化された後は今の旅客機と変わらん。」
悠「今の戦闘機はだいぶん形が違いますねぇ。」
飛「コンピュータのなせる業だな。不安定な飛行機形状にして機動
し易くしてるが、自動安定させながら、操縦が鋭敏になる事も
追及してるってことだな。
エンジンは強力になって、機体を垂直に持ち上げられるほどに
なったし、ジェット噴流を傾けて、早く鋭く旋回できるようになってる。
強烈な機動飛行によるGで、これ以上は人間の方が耐えられなく
なるだろう。」
悠注:Gとは「発生揚力の大きさ/飛行機全体の重さ」で、上げ舵を
取ったり、急旋回したりする時に発生する大きな揚力で機体が
持ち上げられようとするが、中にある物すべてが、逆方向(下)
に押し下げられる。
その力が通常時の重力に比して何倍かでもってGと言う。
人間の耐えられるGは重力の6倍程度という。
体が押し下げられて、血が足の方に行ってしまうからだ。
別途記事起稿の予定。
悠「人間が耐えらえないんじゃ、究極は人が乗らない飛行機かぁ。」
飛「通信技術やGPS技術の発達で、そのうち戦闘機は無人に
なっちまうんだろう。」
悠「恐ろしい世の中ですなぁ。無人機が人を攻撃するなんて。」

そんな話をしているあとから、米国で操縦する無人機がイラクで
手配中の人物をミサイル攻撃して殺したなんて、物騒な話が届いた。
飛行機ですらそういう方向に発展してるが、ミサイルになると、
もっと高速で、もっと遠くを大量殺戮兵器で無人自爆攻撃することに
なるわけで、こりゃぁ、大きな制限をかけないとトンデモナイ事に
なりそうで、寒気がしましたな。
