森発言の波紋

「女性の多い会議は長引く」「聖火リレーで有名人は田圃の中を
走れ」等の訳の分からん発言が波紋を呼び、国内外の多くから
非難の声が上がっている。
この人、前にも「真央ちゃんは大事な時に転ぶ」発言で顰蹙を買った
わけだが、ワシに言わせると、この人「大事な時に大ポカをやる」
って事かな。


今、世界はコロナ禍にあえいでいて、五輪の開催も微妙な時期だ。
五輪憲章そのものを否定したわけじゃなかろうが、女性蔑視発言と
取られてもおかしくない発言は五輪をリードせねばならぬ人間に
あるまじき発言と映るのは止むを得まい。

思い起こせばえひめ丸事件の時も、大事件が起こっているのに、
ゴルフを継続したことを非難されても軽くにしか考えなかった結果、
政権を壊す結果になった訳だが、すっかりお忘れのようだ。

この世代は戦後教育が始まった頃に育ったわけで、男女平等は
頭では分かっていても、まだ世の中がそうでなかったから、体には
染み付いてはいない。
ついつい本音が出て、それを悪い事とも思っていない。
娘や孫娘に非難されて初めて、そんなに悪い事だったの？ってな
感じだったんだろう。

ま、この歳になれば、世の中の変化についてゆくのに相当な苦労
っていうか、努力が必要だが、過去の栄光だけに縋ってるのでは
自己変革は相当に難しいと言わざるを得ない。
蝶よ花よと育てられ、先生、先生と持ち上げらえてきたからね。
俺は総理大臣をやったことがあるんだぞって考えがあれば尚。
謝罪会見が開き直り会見になってしまうのもムベなるかな。

関係者や取り巻きは「余人をもって代えがたい」って言うが、
そんなアホな組織があるものか。
どんな組織にも次を担う人材は必ずいるし、居なきゃ他から持って
来りゃエエだけの話だ。
火中の栗を拾う気構えがある日本人は、少数だがまだ居ると信じる。
理事会や評議委員会は機能してるんかいな。


このまま逃げ切ろうとしてるように見えるけど、今後は？
まず、本人に辞めてもらうのは当然の事。
でなきゃ、日本国はこんな事を容認する国なんだなって評価が
定着する。
過去の実績は評価しても、この一事でその人をリーダーに持つ
組織が問題組織なんだってことになる。

問題は本人が辞めただけで済むのかって事。
欧米人の考え方は、こんな発言が容認される国はダメな国。
その人が辞めても土壌がある限りまた起こる。
シッカリした再発防止の仕組みが出来なきゃ信用できないって
事になるだろう。

もちろん、他の国が何を言おうが勝手、日本国は日本国のやり方で
やるってんならそれで良いけど、世界から遅れるばかりで、相手に
されなくなろうし、日本国の魅力が低くなるばかりだろうね。


最近公表された、世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数
2020」によると、日本国の順位は153か国中121位で下がり続けている
（前回は149か国中110位）。
ひょっとしたら、これで良いという考えの人が多いって事なのかな。