インバウンド需要の問題点
今回の新型ウィルス蔓延は様々な問題を生起しているが、
最も影響が甚大なのは中国からの旅行者を当てにしている
観光関連業者なんだろうか。
年間3,000万人強の旅行者の内、2,000万人が
中国からの旅行者で、2兆円ものカネを落としてくれて
いたからねぇ。
インバウンド需要は上手く行けば純粋に海外からのカネを
集める良い手段なんだろう。
しかし、その陰には色々な問題が潜んでいて、対策が疎か
だと、今回のような大騒ぎとなるし、影響も甚大となる。
インバウンド需要の取り込みは狙いとしては正しいんだろう
けれど、あまりに急速にやり過ぎた感は否めない。
結果として様々な不都合(オーバーツーリズム)が起き始め
ている。
①今回のような感染症の問題
②宿泊施設の不足
③交通インフラ等の不足
④不良外国人の増加
⑤地域文化との軋轢
①感染症の問題は先のラグビーワールドカップの時にも
注意喚起されていた。
実際に、インフルエンザの発生時期が例年より2ヶ月も
早かったのは、南半球からの人達が持ち込んだんじゃ
ないかとの疑いもあった。
そして、今回のように、水際阻止前にすでに感染症が
蔓延しているという事象はある意味当然だ。
②それまでの何倍もの客が押し寄せれば、宿泊施設の不足は
当然起こる。
民泊等の規制緩和で増加はしたものの、違法な民泊が増加
したり、規定以上の人員を宿泊させたりと不法な行為が
増えるのは自明だし、逆に、何かあれば、予約キャンセル
が殺到してガラガラとなってしまい、経営が圧迫される。
③多くの外国人が訪れるような観光地に行けば、何処も
住民の生活手段である公共輸送機関が満杯で、大混雑に
なってしまっている。
タクシーや観光バス会社も人手不足が著しいし、危険
レベルのオーバーワークも報告されている。
観光者向けの看板等の設置も遅れている。
都会では かなり充実してきたが、地方では皆無に等しい。
④投資目的の不動産投資はまだ良い方だけど、違法民泊
を行ったり、観光地での白タク営業、違法薬物の持込み
等の違法行為を行う。
マナー違反は数知れず、ゴミのポイ捨て、禁止区域での
喫煙・飲食、立ち小便、民家敷地などへの不法侵入等々
観光地周辺の住民とのトラブルが絶えない。
⑤神社に落書きしたり、禁止エリアに入ったり、舞妓さんを
取り囲んだり、入浴マナーを知らなかったり、鄙びた
場所でも大声を出したりと、古き良き日本文化を楽しむ
というより、来てやった感で自分達の振る舞いをする。
結果として、地域住民とのトラブルが絶えない。
ま、昔の日本人も世界各地で似たような事をしたのは確か
だし、旅行者を出す側のマナー教育も必要なんだろう。
また、看板や注意喚起や受け入れ側の準備不足等の不備も
大きな原因となっている。
受入れ体制が不十分なのに、人がどっと押し寄せてしまった。
今更、旅行者を制限する事は出来ないんだろうし、むしろ
増やしたいんだろうけど、あまりに偏った受入れは今後も
大きな問題を起こす可能性が高いんじゃなかろうか。
政治がらみで旅行者を制限するような国から多数を受入れ
ていると、ちょっとした事で旅行者が何割も減るような
事態も起こる。
観光関連業者も一気に溢れるような増加でなく、安定した
漸増を望んでいると思われる。
現状を見ると、受け入れ態勢が整わないのに、それ以上の
訪問客が溢れているように見える。
そして、チョッとしたいきさつ(今回のような感染症発生や
政治問題のこじれ)で、一気に激減して経営を圧迫する
ような事が起こり易くなっている。
あまりに偏った国からの集客を少し制限し、もっと多様化
して行くべきだと思う。
観光客もある程度成熟してくれば、マナーの問題などは無く
なるだろうし、受入れ側の体制が整ってくれば、トラブルも
減るんだろう。
しかし、政治がらみの問題や感染症の問題は今後とも減る
とは思えず、頭の痛い問題となる恐れが十分にありそうだ。