藤豆爆発 | 悠釣亭のつぶやき

藤豆爆発

長いこと生きて来たけど、こんな経験は初めてだった。
こんな事も起こるんだなってのと、植物の偉大さに
触れた気がして、大変驚いたので記事にしてみた。

 


ある日の事、冬とは言えぬ程のポカポカ陽気で、湿度が
30%を切る位の乾燥注意報が出たような日だった。
夕方、雨戸を閉め、ニュースなどを見ていたんだな。
穏やかな団らんの時って感じだった。


突然廊下の方で、かなりの大きさの「バンッ」っていう音
がし、続いてパラパラっと何かが落ちる音がした。
雨戸に何か当たって、砕け散ったって感じ。
もう暗いし、重い音じゃなかったから、明日確認すれば
良いやって考え、その時は廊下は確認しなかった。


1時間ほどしたあと、再び同じ音!
これは普通じゃないってんで、廊下の明かりを点けて、
よぉく調べてみた。
廊下に何か茶色い点々が付いてる。
恐る恐る近寄って調べたら、丸くて小さな(径1cm程の)
柿の種のようなものが何個か落ちていた。


この時点ではまだそれが何なのかは理解出来なかった。
周りをさらに調べたら、笹の葉の様な物が一つ落ちていた。
そして、その中にさっきの茶色い粒が・・・。

 

 

正体見たり!!!
ここで初めて、それが藤豆だという事に気付いた。
秋口に、伸びきった藤蔓を剪定した時に、沢山ぶら下がって
いた藤豆をほとんどは廃棄したんだが、4~5個だけを
受け皿に入れて、廊下の棚に置いておいたんだな。


それが乾燥した結果だろうか、弾けて飛んだんだ。
それも、半径2mくらいにまで散らばってるんだから、
これは相当な爆発力というしかない。


思うに、藤の木としては、スンナリと木の下に豆を撒く
のでは、本体の木と競合するじゃないか。
なるべく種を遠くに飛ばして、生息範囲を広げたいと
いう事なんだろう。
裂こうとしても裂けない程の硬い殻だからこそ、極度
まで我慢し、爆発したら威力が絶大って事なんだな。

 


植物が遠くに種を運ぶのに実に様々な手を使う事はよく
知られている。
獣の毛に付着するものもあるし、動物や鳥に食わせて
糞として排出される物もある。
風に乗って拡散するものも多いし、川や海を漂うものも
あるわな。


藤豆は独自の力で、種を遠くに飛ばす仕組みを持ってた
という事だな。
それにしても、外界では、日常的に藤豆爆発が起こって、
種が四方八方に弾け飛んでたのか!
今まで爆発音は聞いた事は無いけどね。
ま、これには驚くよりも尊敬するしかなかったな。