日本人考__たかりの精神 | 悠釣亭のつぶやき

日本人考__たかりの精神

昨今の色々な手での脱税(官への納入時)や公費の横流しや

不当な額の取得(官費の着服や水増し)を見るにつけ、公費を

私にする行為が目に余る。

たかりの精神は古来から脈々と継続していることに気付く。

 

 

古来、為政者から身を守る方法として、脱税という手法が

取られてきた。

農産物納税時代、5公5民などと言って、生産量をコメ換算

して、半分は領主に納めるのが当然だった時代においても、

恐らくは生活の知恵というか、体験からくる上手い手というか、

上手に脱税していた。

 

不作の時にいつもの70%しかコメが取れない結果、納税額は

35%だった。

これに味を占め、100%できた時にも80%の出来だったと

申告することで、納税額が40%になり、結果的には4公6民に

したわけだ。

 

見つかれば極刑だけど、官側の評価力が低ければ、10%は

丸儲けだ。

官側も騙されまいと検地などして、田畑面積を調べ、取れ高を

調べるが、闇田を作ったり、わざと出来の悪い田を見せたりして

ごまかす。

 

同様の手段は現代でも続いている。

過少申告がその顕著な例だ。

経費の過大申告も然り。

今は追徴課税くらいで極刑もないから、見つからなきゃラッキー

って感覚なんかな。

 

 

今回、何故この稿を書くに至ったかというと、増税見合いの子育て

支援策としての幼児保育の無償化に対する便乗値上げのニュース

を聞いたから。

 

要は、無償になるということは官が金を出すという事で、値上げ

しても保護者の懐は痛まないから文句は出ないという感覚が

働いているんだろうか。

 

それも、平然と何割もの値上げを多くの事業所(1,600事業所)が

一斉に行ったのには驚嘆する。

曰く、「保育士の待遇改善等々」。

 

政府は「実質的なサービスの向上がなければ便乗値上げとする」と

いうが、業者側はあれこれ言い訳を弄するだろうし、政府には

評価力はないし、多くの事業所のすべてに目が行き届くはずも

ないだろう。

便乗値上げだったとしても、どういうペナルティーになるのかも

曖昧だしな。

 

官の工事において、100人の作業員で1か月の仕事を130人で

1ヶ月半かかると申告し、2倍の利益を上げた企業が会計監査で

見付かってお咎めを受けたというようなことがあったが、ほとんど

同じ手口じゃないか。

 

高浜町の元助役のような補助金や税金を贈賄して、自己の関係

する会社に還流し、見返りを取るのも巧妙な手口と言える。

どうしてこうも狡猾な手口を考え出せるのか、そんな知恵があるなら

もっと国民のためを思って使えと言いたくなる。

 

 

事程左様に、税金は古来一貫して「たかられて」きた。

日本人固有の仕業とは言わぬけれど、ありとあらゆる公費が

かくも無残に浪費され、その根が尽きないのは偏に倫理観の

欠如なんだろうし、一度やったらやめられない美味なんだろう。

公費、国費の執行は何としても性悪説に立って使わぬと、

納税者の気持ちが収まらんな。