日銀の白旗 | 悠釣亭のつぶやき

日銀の白旗

1日、日銀は「経済・物価情勢の展望」を公表し、
物価上昇目標2%の達成時期を従来の2017年度
中から、18年度ごろへと先延ばしすることを
決めた。

 


いわゆる、黒田バズーカが炸裂して以来、実に
5度目の先延ばしである。
また、黒田総裁の任期中には達成できないという
結果となる。


そりゃそうだわな。
直近9月の消費者物価指数は7カ月連続の下落と
なっている。
原油価格の低下を主な原因にしてるけど、一般消費
もマイナスだから、物価なんて上がりようが無い。
結果として、16年度の平均物価上昇率見通しも
従来のプラス0.1%から、マイナス0.1%に
引き下げざるを得ない。


まさか、物価上昇=経済成長って思ってる事は無い
とは思うんやが、2%への拘りを見ると、どうやら
そう考えてるんじゃないかと疑わしい。
物価は経済の活性化の結果として上がるんであって、
因果を逆視してへんか?

 


もとより、日銀が物価上昇に責任が負える訳が無い。
物価は経済情勢で決まるものであるのに、それを
マネーゲームで何とかしようとしたって無理っしょ。
先行きの不安と、使えるカネの減少こそがデフレの
源だって事くらい、素人だって分る。


物価上昇目標値を初めて発表した時に、日銀は
政府の成長戦略に期待するって言ってたのに、
その分野の施策が殆ど何も手当てできていない。
これは正に日銀でなく、政府の責任である事は
明らかである。

 


TPPは海外からの安価な品物が大幅に流入する
事になって、物価の下落を助長する。
なのに、何を焦るのか、全く逆行としか言いようが
ないなぁ。
もうちょっと真面目に考えてくれん?


市場は敏感に反応して、投資(機)家はデフレ関連
の株に殺到した。
100円ショップや低価格レストランなどの株が
高値更新するありさま。
いくら笛を吹いたって、消費者が踊らない事を
見越している。

 


ま、低所得者や年金受給者にとっては有難い限りで、
手持ちのお金の価値が上がって行くんだから、別に
経済成長なんかしなくてもエエんですけど、本来
なら、良いインフレ(物価は上がるけど、それ以上
に賃金が上がる)の方が国の力は増す訳だ。


まだまだ不安要素がある訳で、これで中国経済が
減速を早めたりすりゃぁ、もう何をやっても手遅れ
っちゅうことですな。
良い言い訳の種にはなろうけれども。

 


アベノミクスの幻想にすがって、何もせんかった
政府の無作為は今や取り返しがつかない。
外交政策などでは見るべきものはあるけど、経済
対策は最低レベルやな。

 


Ref.
アベノミクス、断末魔
http://ameblo.jp/yct/entry-12187400672.html