●『ソロモンの偽証』(宮部みゆき著):運命の流れを変える、インパクトがありました♪
こんにちは、ハッピアッツァの三宅節郎(せつろう)です^^
とかく、
「小説は娯楽のためにある」
と思われておられるかたも、多いかもしれませんが、
私は、本当に良質の小説には、
読む人の運命に大きな影響を与える力が宿っている
ように、思っています。
そして、この夏に読んだ、
『ソロモンの偽証 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』(宮部みゆき著)
もそのような種類の作品であったように、
私自身は、そう思っております。
それはきっと、
構想15年、雑誌連載10年というこの作品が、
宮部さんのいのちがほとばしる箇所とほど近いところから紡ぎだされたものであることと、
深く関係しているために違いないと、
私は推測している次第です。
この作品について、宮部さんご自身は、次のようにお話しされています。
アマゾンのレビューにも、好意的な意見がけっこう多かったです♪
結果を言うと、早く先が読みたい!
買って損をすることは絶対ない面白さでした。
やっぱり宮部みゆきはすごい、と素直に言える作品でした。分厚い三冊をものともせず、一気に読んでしまいました。
筋とは関係ないかもしれないのですが、
宮部さんの作品に出てくる大人の、子どもに対する姿勢がほんとうに好きです。
こういう大人になりたかった。
ほぼほぼ主人公の藤野涼子の父がとくにいいなあ。
中学生たちの自立した思い、行動に感動しています。
なぜかしら、食わず嫌いならぬ読まず嫌いしてました。
子供が主人公の場合、みゆき様でもぬるいのでは?との予断でした。
甘かった・・・
待ち切れない思いで、出張先の地方小書店にて第三巻目を購入。ホテルの室内で、喫茶店で、夕食時のレストランで、そして移動中の飛行機内などで読み継ぎ、一気に読了しました。素晴らしい魂の救済のドラマでした。
読み終えて感じたのは、これは中学生達への宮部みゆきのエールなのだろうということ。
「いじめ」や「自殺」という現実の問題に対して、宮部みゆきは作家として、真摯にメッセージをこの本に込めている。
「ともだちがいるよ」「未来はあるよ」というその陳腐で誠実なメッセージを、なんとか伝えようと、ただそのためにこの重い三冊の本を書いたのだ。
ただのミステリであるなら「事件」と「法廷」の二部作でいいはずなのだ。
ラスト数頁で号泣したことをお知らせします。
自分には、ピッタリはまった。
宮部さんの作品は全部読んでますが、この作品が一番泣けました。
この法廷の場面は,読書することの喜びを感じさせてくれるものでした。
どのような物語もやがては終わるのですが,ずっと続いてくれればと感じるほど心地よい不思議な世界を,よくぞ作者は作ってくれたものです。
私はこの長編小説を読み終えた今思いました。私自身、計算高く生きています。損得で物事を見ていることもあります。反省しました。
この小説は、私に反省する機会とまっすぐ生きていこうという勇気を与えてくれました。ありがとう。
それにしても被告人はどういう人生を歩んだんですかね。
告発人は、どうなったんでしょう。
そして弁護人は・・・? 検察官は・・・?
エピローグの弁護補佐人の今日の姿を読んで、不思議と目頭が熱くなりました。それだけでも傑作です。
……如何でしたでしょうか♪
先月末より、順次、文庫版も出版されておりますことですし、
よろしければ、秋の夜長に楽しまれてみて下さい。
それでは、今日も「愛と光と忍耐」で、張り切って参りましょう!!
ありがとうございました^^