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舞台の感想や日々のこと。
備忘録。

 
 
 
今日観てきました。
 
 

 
 
 
 
「た す け て」
水深800メートルの闇の世界。
直径3メートルの球体内で交わされる、
異質な存在との会話劇。
 
 
 
 
 
 
 
 
※以下、内容触れます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まず、最初にタイトルだけ見て、お医者さんの話かと思ってました。←
 
チケットとチラシが届いて、初めて潜水艦の話と気付く。
 
パラ定さん、いつもどんな話かよく分からないまま観に行ってしまう件について無気力 ←
 
それでもいつもおもしろいし、キャストさんみんな上手だし、何の心配もないのです。
 
心配なのは私の理解力だけだよ…
 
 
 
 
 
救助要請を出した調査艇の乗組員を助けに行く、深海救難艇の葉山さんと六浦さん。
 
通信で会話する調査艇の汐入さん、ちょっと間が空くと別人の声になっていて、それを不審に思う葉山さんたち。
 
無事、汐入さん、鳥浜さん、堀ノ内さんの3人を助けて、救難艇の方に避難させる。
 
3人の態度が何だか怖い。
 
一旦荷物を取りに行った3人と六浦さん。
 
3人の方が先に帰ってきて、六浦さんを置き去りにして救難艇を発進。
 
ここの場面のね、西原さんが演じる葉山さんの倒れ方。
 
私はすごく『おお』ってなったところ。
 
“唐突な揺れ”がほんとに見えた。
 
倒れて気を失った葉山さんのまわりで話す3人。
 
葉山さんがそうなったのは急浮上したからじゃないかとか。
 
汐入さんが手を見ながら「脆いんだよな」って言ったりするのが不穏で、あれ?ホラーなのかなって思う。
 
気が付いた葉山さん、調査艇で六浦さんと会話。
 
六浦さんの声が変に。
 
調査艇に4人目の誰かがいるんじゃないかと疑う葉山さん。
 
救難艇はもう一度調査艇の方に戻って、六浦さんを救助。
 
密入国者じゃないかと疑って、いろいろ聞く葉山さん。
 
疑いがあるから、浮上せずに救難艇の中でずっと話してる。
 
曰く、調査中にブラックスモーカーの成分を採取したと。
 
その中にはバクテリアとかが入っていて、艇内で気化して人の体内に入り、その人を乗っ取った。
 
SF???
 
乗っ取りの現象としては、まず声が変わってまた戻る。
 
ということは、六浦さんもさっき声が変わってたから、もうすぐ乗っ取られるんじゃないか。
 
鳥浜さんは「だからもうすぐ仲間になると思って助けに戻った」と。
 
それから体温が下がる。
 
頭の中だけで会話ができる。
 
なかなか信じない葉山さんに、汐入さんは自分の体温を確かめさせて。
 
人間ではなくなってしまった3人(汐入さん、鳥浜さん、堀ノ内さん)と、人間の葉山さん、その間の六浦さん。
 
六浦さんも汐入さんたちが頭で話してることが分かるようになってきて。
 
と、起きている現象は完全にSFなんだけど、物語としてはそうではなく、とてもおもしろかった。
 
六浦さんがどう乗っ取られるのかをノートにメモしようとした汐入さんに、葉山さんが「観察するのはやめろ」って言ったところとか。
 
酸素が足りなくなったときに残す順番の話。
 
堀ノ内さんに「いちばん最初に犠牲になるのはおまえだよ。いちばん劣ってるんだから」って葉山さんが言われて、「ここで(頭の中)で会話できたら偉いのか」って言うところとか。
 
浮上したら、3人は圧倒的少数派だっていう話とか。
 
生きていくためには、自分たちよりも劣っていると思う人間に合わせることだって何だってやるって言う堀ノ内さんの気持ち。
 
最初に乗っ取られた鳥浜さんは、まだ人間だった汐入さんと堀ノ内さんが自分を殺そうとしてたことを話したり。
 
ここの会話は本当に考えれば考えるほど深い。
 
いろんなことに当てはまると思う。
 
マジョリティとマイノリティ。
 
例えば人種。
 
例えば性別、性的思考、性自認。
 
それからなんだかコロナのことも過った。
 
ワクチンを接種してるかどうかとかさ。
 
マスクをしてるかどうかとか。
 
劇中、何度か「個体差か」ってセリフがあるけど。
 
どう受け止めるか、そしてそのことに対しての反応は、突き詰めれば結局「個体差」ってことになるんだろうけど。
 
葉山さんの「お互いがお互いをバカにしてたんだ」みたいなセリフとかね。
 
汐入さんが葉山さんに何度も手を差し出して握手しようとするのを、堀ノ内さんに窘めされても「これが間違ってるとは思わない」っていうセリフ。
 
「知らないから怖いんだ」とか。
 
ハッとする言葉が多々。
 
 
 
 
 
自分がどうなるのか分からないのに、それでも太陽の光や風を浴びてみたいっていう汐入さん。
 
「怖いけど、なんだか楽しみになってきた」みたいなセリフもいい。
 
結局浮上して3人を引き渡し、点検という口実でまだ艇内に戻った葉山さんと六浦さん。
 
体温が低い3人に、少しでも時間稼ぎにって軍手を渡した葉山さん。
 
あぁ、葉山さん好きだなぁ。
 
六浦さんが自分の体温が下がってないか、葉山さんと握手をして確かめる。
 
最後の場面も。
 
葉山さんの最後のセリフ。
 
「人間が人間である確認をすることになるとは」だったかな。
 
あの終わり方とてもよかった。
 
 
 
 
 
BGM一切なし、音は水音と救難艇が動く音、通信が入った時の音ぐらい。
 
キャストさん全員ほぼ出ずっぱりの会話劇。
 
こっちも息を詰めて観てしまうけど、劇中笑ってしまう場面もたくさんあって、そこでちょっと息抜き。
(葉山さんの態度をマネしたところとか、オールドとニューのところ、ウイスキーのところとか)
 
話の内容もほんとにおもしろかった。
 
ちょっと気になったところがあったんだけど、もしかしたらあれはわざとなのかもしれない。
 
できることならもう1回観たいな。
 
今日とは違う角度の席から。
 
 
 
 
 
今回は井内さんは出演されてないので、それがちょっと残念。
 
井内さんがもしいたら、どっち側の役だったかなー(妄想)
 
植村さん演じる汐入さんはずっと穏やかでいいなぁって思ったけど、よくよく考えてみたら、その感じで鳥浜さんをいちばんに排除しようって考えてたの怖いねアセアセ
 
葉山さん役の西原さんも好き。
 
小野さんも。
 
いやほんと、良い舞台でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
葉山達平
西原誠吾
 
六浦剛介
神農直隆
 
汐入知也
植村宏司
 
鳥浜明彦
小野ゆたか
 
堀ノ内 正
堀 靖明
 
 
 
 
 
 
 
 
パラ定さんは毎回チケットがかわいい。
 
「特別乗艇券」ニコニコ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今回の舞台、『ジェノサイド』をちょっと思い出したね。
 
またもや高野和明さんの小説。