普段小説を読まない科学、物理、天体好きな人に★★★
単純にSFが好きな人★★★
現代中国史に興味がある人★★★
2020/09/01読了
ある小説が流行る場合、多くの人の理解や共感を呼ぶ為流行るケースと、理解や共感は難しいものの考察や推論をよんだり、特殊な読書体験が得られるとして広く読まれるケースがある。本書は完全に後者だ。
物語は少し前の中国、文化大革命時代の知識層が弾圧されていく様子から始まる。あれ?これって中国の歴史物?と一瞬不安になるが、あれよあれよという間に物理化学、天体物理用語満載のザ・SFとなる。
私は普段ほとんどSFを読まない為、また物理や天体物理、数学などと真反対の人間の為、最初は非常にとっつきにくかった。読むエンジンがまあ〜かからない。しかし図書館の貸し出し期間があと2日と迫った所で9割残っていたのを読み切った。(借りるまで3ヶ月かかった為意地でも読みたかった)すると、ちょっと集中して読み続けるとどんどん面白くなってくる。過去と現在、虚構(?)と現実が入り混じり、ありそうな未来、っていうかリアルタイムにぞくぞくしてくる。その上書いてあることが、リアルなのか全くの創作なのか知識が無い為ほぼ理解できなかったので、これ本当にあるんじゃね?ってな感じで余計怖がれた。理屈の説明は所々読み飛ばしたが。
しかしこの本は色々な面があり、〇〇小説と区分するのが難しい。中国の近現代史の一面もあれば、天体物理SFの一面もあり、サスペンスとしてもおもしろい。私は中国って意外と(と言ったら失礼だけど)理屈が通るのだなと感じた。日本が舞台なら上官、上司、警察などは下の者の言う事など殆ど聞いてくれないじゃないか。中国小説、他にも読んでみたい。
反知性主義というのは日本にも広まっている。歴史に学ばない、数字を適当に扱う、文書を焼く、根拠よりも雰囲気、みたいな不穏な空気ですが、まさかもう侵略されているとはね…。笑
ちなみに既にIIも出ていて上下ある。予約でいつ読めるやら。