昨年末あたりからだろうか、急に美術に興味を持つようになった。このまえ開高健「裸の王様」を読んだ影響かもしれない。

先月、家族で三菱一号間美術館の「フィリップス・コレクション」を見に行った。

フォトスポットで撮った、ハインリヒ・カンペンドンク「村の大通り」のレプリカ。


ゴーガンの静物画「ハム」やジョルジュ・ブラックの絵が印象に残った。しかし、息子がまだ2歳なこともあり、案の定というか、途中で飽きてグズってしまった。美術館のあの静寂の中で子供がグズリ出した時の緊張感たるや、半端ねえ。後半はろくに鑑賞もできないまま、逃げるように美術館から退出(出口付近のお土産コーナーで叫び声MAX)。まあ、しょうがない。数日後、「ぶらぶら美術」というテレビ番組でフィリップス・コレクションを特集していて、解説付きで再度鑑賞した気分になれたので良しとする。しかし、もっとみんな喋りながら見て回っても良いような気がするんだが。海外の美術館は、広いからというのもあるんだろうけど、もっと開放的で子供も入りやすかった気がする。

数年前は欧州あたりに出張に行く機会が多かったので、メジャーどころの美術館・博物館(ルーブル、プラド、ソフィア、大英博物館など)にはひととおり足を運んだことがある。しかし、今思えばもったいないのだが、当時は美術に対して強い興味があるわけでなく、さらっと流し見るだけでじっくり鑑賞することはなかった。唯一、プラド美術館で見たヒエロニムス・ボスの「快楽の園」は面白くて好きだった。ある意味衝撃を受けたのは、エジプト考古学博物館。ツタンカーメンのマスクが置いてあるコーナーのみ、やたら厳重に管理されているのだが(カメラを向けると職員からカメラを取り上げられ、撮影データを消去される)、それ以外のもの、特に何十個も置いてある石棺や壁画の扱いがめちゃ雑。博物館の壁に釘で打ち付けられていたり、庭先に打ち捨てられていたりしたのには笑った。

いま東京都美術館で開催中の「奇想の系譜展」を見に行きたいと思っている。でも、人も多いだろうし、小さい子を連れて行くのは難しいんだろうな。絵を見てもほぼノーリアクションだった息子が珍しく「奇想の系譜展」のTVCMに反応したので、「息子よ、ついにアートに目覚めたか」と感動したのだが、以前に見た「びじゅチューン」で歌川国芳「宮本武蔵の鯨退治」が取り上げられていたからだった。びじゅチューンはいま親子でハマっている。息子は「ヘルスチェックインザヘル」に出てくるオニババのことが怖いんだけど見たいようで、録画した番組を「怖い、怖い」と言いながら何度も再生しては、ダッシュで逃げて、物陰からチラッ、チラッと覗き見る鑑賞法がお気に入り。こんな可愛い時期はいつまで続いてくれるだろう。