藤井聡太七段が朝日杯優勝。本戦で稲葉八段、糸谷八段、行方八段という錚々たるメンツを破って決勝進出。決勝では、2018年度の勝率8割越えと絶好調の渡辺明棋王を相手に、しかも初対局にもかかわらず、圧勝と言えるぶっちぎりの内容で勝利し、見事な2連覇達成。渡辺棋王ファンの自分としては少し残念だったものの、藤井七段の強い勝ちっぷりに心から感動した。信じがたいことに、まだ16歳。年齢的にはこれから強くなっていくわけで、ダビスタで言えば、牧場長のフルコメント付きで晩成と言われた馬が、朝日杯FSをぶっちぎりで勝利した感じか。とにかくこれからたくさんの棋譜、名局を世に残してくれることを思うと、楽しみでしかたない。

備忘方、対局内容をメモしておく。戦型は相雁木。雁木は一昨年に流行したが、相雁木が膠着状態になり、先手が主導権を取れないことで現在は下火になってたみたい。大流行中の角換わりをあえて避け、研究が手薄になりそうな雁木を採用したところに、渡辺棋王の用意周到な戦略を感じさせる。(こういう対局前の戦略とかを勝手に想像するのも楽しかったりする。)下図は66手目、藤井七段が☖3四歩と打った局面。渡辺棋王は☗3六飛と引いたが、ここで☗7五銀の勝負手があったようだ。確かに、飛車の取り合いになれば、先手は☗5九歩の底歩が打てる分、耐久力があるわけか。

その後の86手目☖3五金が、飛車を引かせて☖4六金とすり込ませるうまい手だった。この手によって、数手後に先手の守りの金を玉から遠ざけ、挟撃体制を作ることに成功している。これはとても勉強になった。