並行輸入車ということで(一部正規ディーラー車もありますが)消耗品の不安からYBRオーナーになることにためらいがある方のために、現役YBRオーナーの方のメンテナンスがスムーズになるように、今回はYBR125の吸排気系を深く掘り下げて考察していこうと思います。

排気系

純正マフラーについて

やたら長くて今時っぽいデザインとはお世辞にも言えませんが、純正の性能を侮るべからず!というわけでおそらく最も静かで且つパワーも出ているかと考えられます。深夜早朝の帰宅でも低回転で走ればなんだか新聞配達のような音になるのがYBRのノーマルマフラーの美点とも言えます。

マフラーガスケット

マフラーガスケットはメンテナンスの際の消耗品ですが、これはXJ400D用XJR400R用が使えます。ネット通販はもちろん、二輪部品量販店などでもどこでも入手できます。ですからマフラーを外しての徹底的な洗車なども気兼ねなく行えます。マジックリンで徹底的に洗いたくなったりするじゃないですか。

探すのが面倒な方のために貼っておきます。

 

 

YBR125用社外マフラー

YBR125は長い純正マフラーが今時っぽくない形状ですが、専用の社外マフラーに交換となるとそこそこ値も張ります。現在においては特に中古車の流通相場から考えると高額と言わざるを得ません。おまけに流通しているのはスチールパイプにサイレンサー風の直管が付いているだけのお粗末な製品が殆どなので、爆音にして走りたい変わった人とかでもない限り、中にグラスウールを仕込んだりと手間が多く、私も一度購入してサイレンサーの中身を作ってはみましたがその状態では吹け上がりが良好とはお世辞にも言えない感じにしかならず、かといってよく吹け上がる状態は爆音過ぎて乗車するには問題がありました。この先YBR用として新たにマフラーが開発されることは望めませんが、もしあるなら出力特性云々よりも、静かで軽く、マスの集中化に効果のあるマフラーであれば使ってみたいですね。結局今は2台とも純正マフラーで過ごしています。

こちらは本当にオススメできるものがないので紹介しないでおきます。

 

 

 

 

 

マフラーを他車種から流用

マフラーはYBR125用として市販されている社外部品以外にも、エイプ50/100用の社外マフラーが流用できます。その際、センタースタンドのストッパーがなくなるのでセンタースタンドは使えなくなります。多少溶接加工が必要ですがストッパーをエキパイに取り付けたらセンタースタンドももちろん使えます。エイプ用のマフラーを流用するメリットはたくさん売れた車種なので量産効果から社外マフラーの値段が安いことが挙げられます。マフラーガスケットは先述のXJ400D、XJR400R用が使えますが、エイプ用マフラーはエキパイの接続部が薄いのでガスケットを2枚重ねにして装着する必要があります。安心の二枚重ねで、(おまわりさんが)多い日も安心!

安価で、デザインも良く、最もオススメなのはこちらの製品です。

 

 

もしサイレンサーの形状が違うものが好みだとしても、こちらのエキパイをベースに作ったほうが幸せになれます。

吸気系

変なゴムの部品を外す

私が所有しているのがどちらもキャブ車なのでこれはキャブ仕様に限った話なのかもしれませんが、エアクリーナーボックスの吸気口に変なゴム製のリストリクター?インシュレーター?みたいなのが付いているのですが、これを引っこ抜いておくと高回転までよく吹けます。レブリミットが1000rpmくらい上昇し、パワーバンドが広がる感じになり、乗りやすくなりました。カタログスペック上10馬力しかないYBR125ですが、この部品で出力を絞っているのではないかと推察します。たったこれだけのことでGSX-R125にあと一歩…くらいの加速力になりました。価格帯も全く異なるバイクと何もかも同等にはなりませんが、ツーリングネイキッドバイクとしては十分満足できるものになります。マフラーを変えるよりこっちのほうが絶大な効果がありますので、是非やってみてください。

キノコ型エアクリーナーはアリか?

社外のキノコ型エアクリーナーを装着したこともあるのですが、雨天時にキャブが水を吸ってしまい信号待ちなどの停車時にエンストが頻発しました。これを防ぐ目的で飲料のアルミ缶を加工したものでエアクリーナー全体を覆ってみたりもしたのですが、多少の効果は見られたものの、症状が完全になくなることはありませんでした。おそらくエンジンの形状的に風雨を巻き込んでエアクリーナーが吸ってしまうためだと考えられます。また、キノコ型のエアクリーナーではブローバイガスの行き場がなくなり、環境にも悪いことも挙げられますがそもそも臭くて耐えられませんでした。マフラーがノーマルでもかなりのエンジンノイズ(バルブがヘッドを叩く音)を発生させていたことも使用をやめた理由のひとつです。但し燃費と加速はキノコ型を使用していた時が一番良かったです。そんなこんなでデメリットのほうが上回ると判断し、結局ノーマルに戻しました。

 

 

 

 

 

傾向から予測する

ここからは推測の話なのですが、おそらくノーマルのエアクリーナーボックスの吸気口を拡大加工することでデメリットの一切ない状態のまま更に高回転まで吹け上がるようになるのではないかと考えています。そのうち時間がある時にやってみようと思います。やった際には結果はこちらのブログでお伝えします。

何か社外品に変えることはデメリットしかなかったので、純正互換のエアフィルターのみ貼っておきます。

 

 

 

それでは、よきYBRライフを!

アメブロにはどうやら1記事あたりHTMLなども含めて半角換算60,000文字しか書けないという制限があるそうなので不本意ではあるが記事を2つに分けることになった。私にとっては情報として少なく、不十分と感じる。後学のために芸能人のブログを少しだけ拝見してみたところ、十数文字程度しかない記事にどうということもない写真が添えられているようなものばかりであった。ここはああいう使い方に合ったプラットフォームなのだと今更知った。

蛇足からはいってしまったが、前編の続き。

90/90-18

リアの標準装着サイズ。チューブレスタイヤも充実していて、フロントタイヤにオススメしたいサイズです。スピートメーターの誤差は純正サイズよりも改善し、3.00-18よりも更に改善します。私はこのサイズをフロント、リア両方に使用しています。ただしフロントフェンダーのネジ穴を下方向へ10mmくらい拡張してフェンダーの装着位置を上げないとタイヤが干渉します。ですが、この手間を含めてもフロントに装着するメリットのほうが勝るでしょう。種類は様々選べますが私はフロント用にはダンロップのGT601、リア用にはDUROのHF329を装着しています。

スピードメーターの誤差について、このサイズでもまだ誤差が多少残りますが、これ以上のサイズのタイヤはフロント用としては現実的ではありません。

メーカー  銘柄 前後 チューブ 特徴 Amazon
IRC
井上ゴム
RS-310 フロント チューブ  
DUNLOP
ダンロップ
ARROWMAX
GT601
フロント チューブレス フロント用定番
DUNLOP
ダンロップ
TT100GP 前後共通 チューブレス  
DUNLOP
ダンロップ
TT900GP 前後共通 チューブレス 前後定番
DUNLOP
ダンロップ
K300 フロント チューブ  
DUNLOP
ダンロップ
K388 リア チューブレス  
BRIDGESTONE
ブリヂストン
BATTLAX
BT-46
フロント チューブレス  
DURO
デューロ
HF329 前後共通 チューブレス オススメ!
特徴がなく普通で安い!

100/90-18

このサイズはリア専用とお考え下さい。標準サイズよりも大径化しますので、最高速が向上し、燃費が向上し、加速が悪くなります。また、車高が上がりますので足つき性が若干悪くなります。タイヤの形状にもよりますがホイールのリムサイズ的にタイヤの溝は端まで使えない可能性があります。私は違う銘柄で二度試しましたが、結局90/90-18で落ち着きました。ブリヂストンのBT-39SSを使いたい場合はこちらのサイズです。このサイズでフロント用のみのラインナップの場合はリストに加えていません。

メーカー  銘柄 前後 チューブ Amazon
DUNLOP
ダンロップ
TT900GP リア チューブレス
DUNLOP
ダンロップ
K275 リア チューブレス
BRIDGESTONE
ブリヂストン
BATTLAX
BT-39SS
リア チューブレス

110/90-18

このサイズはリア専用とお考え下さい。標準サイズよりも大径化しますので、最高速が向上し、燃費が向上し、加速が悪くなります。また、車高が上がりますので足つき性が若干悪くなります。ホイールのリムサイズ的にタイヤの溝は端まで使えないものとお考え下さい。一度だけ試しましたが、重くて加速の鈍さだけを感じ、メリットが見当たりませんでした。ギヤ比まで調整すればまた変わっていたかもしれません。チューブレスで前後同一銘柄のタイヤを使いたい場合はこちらのサイズをリアにせざるをえない可能性があります。ただ、精神衛生上の理由で前後同一銘柄に拘ることに何らメリットはないでしょう。このサイズでフロント用のタイヤはリストに加えていません。GT601のリア用がどうしても使いたいならこのサイズになります。

メーカー  銘柄 前後 チューブ Amazon
DUNLOP
ダンロップ
ARROWMAX
GT601
リア チューブレス
DUNLOP
ダンロップ
TT100GP 前後共通 チューブ
IRC
井上ゴム
RS-310 リア チューブ
BRIDGESTONE
ブリヂストン
BATTLAX
BT-46
リア チューブレス
DURO
デューロ
HF329 前後共通 チューブレス

最適なタイヤ

YBR125の場合、前後18インチということもあってそれほどタイヤの選択肢が多いわけではないのですが、チューブレスも選択肢に入れればある程度はラインナップがあります。
私は現在2台のYBR125にそれぞれ

  • フロント DUNLOP ARROWMAX GT601 90/90-18(フロント専用チューブレス)
  • リア DURO HF329 90/90-18(前後共通チューブレス)
  • フロント DUNLOP TT900GP 90/90-18(前後共通チューブレス)
  • リア DUNLOP TT900GP 90/90-18(前後共通チューブレス)

を使用しています。

DUROについて

TT900GP、GT601については今更説明するまでもなく良いタイヤです。ブリヂストンはYBR125用としてはなかなか選択肢が乏しいのが現状です。私のように年間走行距離がかなり多いキャンプツーリング派の人に是非オススメしたいのがDUROです。価格も安価で、グリップはこのクラスのツーリング用ネイキッドバイクに使用する程度の用途ならば十分で、ライフも約15000kmくらいはありますので特に不満は感じません。前回DUROを履いてから約半年後に新たなDUROに履き替えました。リア用としては現在2本目です。ただ、前回は同時にフロントも替えたのですがフロントがすくわれると怖いということもあってGT601やTT900GPを使用していますが、おそらく次回フロントタイヤ交換時にはDUROを選ぶことになるでしょう。これで十分だということもよく分かりましたから。

サイズの大きいタイヤを履くことについて

フロントについては速度計がかなりハッピーメーターなので、これを補正する意味も含めて大径化したいところですが、大径化すると必ずフェンダーと干渉しますのでまずはネジ穴を加工しましょう。それでも90/90-18が限界サイズかと思われます。この際、若干車高が上がってしまうことよりも、キャスター角が寝てハンドリングが悪化することのほうが顕著に感じます。これはフロントフォークのトップブリッジ突き出しを行うことで対処できます。私は2台ともハンドルバーに当たる限界まで突き出してキャスターを立てています。

リアについてはここには掲載しませんでしたが120サイズでも履くことは可能です。もしかしたら銘柄によってはチェーンカバーに干渉する可能性がありますが、スイングアームには余裕がありますので履けるか履けないかでいうと履けます。こういう細かい加工が億劫に感じる人は正規ディーラー取り扱いのバイクに乗ってショップで面倒見てもらえばいいわけでして、そもそもYBR125は勧められません。ただ、太いタイヤを履いたとしてもホイールのリム幅が1.85inchなので装着時に内側にカールした状態になってしまい、かつてR1でサーキットをそれなりに走り込んできた私でも溝を端まで使うことはできませんでした。なのでタイヤ幅を太くすることのメリットはリアビューの見栄えだけであり、安定感など機能上のメリットは得られません。フロントとは違う理由で90/90-18なのです。

まとめ

タイヤ選びは人それぞれ好みがありますから難しいです。私が乗っている2台のYBRでさえ、違うタイヤを装着していることによって全く別モノなくらいハンドリングもグリップ力も乗り心地も違います。最終的にどこに落ち着くかはもう色々試してみるしかないということです。ただ、サーキットを走ったり峠を攻めるような走り方をするのでなければ、何の特徴も感じないタイヤこそが良いタイヤだと思うようになりました。妙にグリップを感じたりするタイヤはライフも短いですし、排水性が良いタイヤはコーナーで寝かし込んだ時に車体が不安定になったり直進時もロードノイズが大きかったりしますし、なんだか燃費が良さそうなサラサラした感触のタイヤはやはり雨の日に乗るのは怖いですから。ショップ店員の「いいタイヤですよ~」なんてセールストークを鵜呑みにしてはいけません。万能は存在しないので、どこで折り合いがつけられるかは乗る人の乗り方次第ということです。

それでは、よきYBRライフを!

YBR125の純正タイヤサイズは?

いきなり結論とその結論に至った理由を書いていきます。当ブログはただの備忘録なのです。

タイヤサイズ

フロント2.75-18(チューブタイヤ)
リア90/90-18(チューブタイヤ)

海の向こうではチューブタイヤが主流なのかは分かりませんが、チューブレス対応のホイールにチューブタイヤという異質の組み合わせがYBR125の特徴です。

ホイールサイズ

前後1.85-18(チューブレス)

ホイールはチューブレス設計なのに純正装着はチューブタイヤなので、タイヤ交換の際は是非チューブレス化しましょう。チューブレス化することのデメリットは一切ありません。

どうしてチューブレス化がいいのか

下道長距離ツーリングなどでパンクした際に、タイヤに刺さった異物はプライヤーなどで除去するとして、車載工具+瞬間パンク修理剤が1本あればとりあえずの応急処置が可能だからです。これがチューブタイヤのパンクだと予備のチューブからタイヤとホイールの脱着工具一式にエアポンプまで全て積んでいないと現場即修理は不可能なのでたちまちレッカー案件になります。そんな工具を積んで走っている人は見たことがありません。また、パンクそのものもチューブタイヤは一気に空気が抜けますのである程度速度が出ていたら非常に危険な状態に陥りますが、チューブレスタイヤならパンクしてもゆっくり空気が抜けますので走行中に違和感を感じてからでも安全に速度を落として路肩などに停車できます。ここがYBR125がカブ系に対して持っている最大のアドバンテージなのです。現行車はカブもチューブレスで非常に魅力的なのでもはや燃料タンクの容量くらいしかアドバンテージもありませんが、なんせお高いですからお金持ちの方しか買えません。当ブログはお金をかけないがモットーなのです。ツーリングだと現地の景色や食や釣りを楽しむことばかりに目がいってしまいがちですが、ツーリングの本当の目的は思い出を持って無事に家に帰ることだということを忘れてはいけません。

私がいつもパニアケースに忍ばせている瞬間パンク修理剤はこちらになります。

 

 

タイヤ交換のトータルコスト

2023年現在、世間では様々な石油製品や輸送コストが高騰していまして、YBR125のような小型二輪でさえショップでタイヤ交換を依頼するとトータルで3万円前後かかります。ネットでタイヤを購入して自分で組めば前後で1万円程度で済みます。ただ、ネットでタイヤを購入すると安価で入手できても、自分で組めないとショップへの持ち込み工賃はショップ購入の倍額くらい取られてしまいますので自分で交換できない人にとってはメリットがほぼないです。なので前回の記事で紹介したタイヤ交換の手順をマスターするとめちゃくちゃ節約効果がありますから、ビードブレーカー、ムシ回し、タイヤレバーくらいは揃えて交換できるようになりましょう。せっかく維持費が安い125ccなのですからトータルのランニングコストを抑えて、浮いたお金で週末下道キャンプツーリングに出掛けたほうがお得です。思い出はプライスレスですし、工具は適切に保管していれば人生でバイクから降りる日まで使えますし、メンテナンススキルが上がるとより細かいところまで注意して車体を観察するようになりますから問題点を早期に発見できるようにもなります。何より今まで以上に愛着が沸いてくるものです。

というわけで、この酷暑の夏に汗だくになってタイヤ交換をする決心がついた変態YBR乗りの方のために、オススメのタイヤを考えてみましたので紹介していきます。

タイヤ交換に必要な専用工具

以下に一番安くて使えるモノを掲載しています。ラチェット、ソケット、ボックスレンチ、メガネレンチなどの基本的な工具と潤滑スプレーやパーツクリーナーなどのケミカル類は一通り揃っているものとしてタイヤ交換専用の工具を解説します。

ビードブレーカー

これはなくても作業できます。体重がある方や力に自信のある方ならなくても外せますが、疲れるので私はビードブレーカーを使用します。YBR125の場合はタイヤ幅が細いのでブレーカーの補強ステーは外して使用します。

ムシ回し(バルブコア回し)

これはないと作業できません。長いものの場合はバルブの根元を手で手前に少し曲げるなどすれば使えます。バイクのメンテナンスのみで使用するなら短いもののほうが使いやすい。

タイヤレバー&リムガード

これはないと作業できません。車用でレバーのみで売っていたりもしますが、バイクの場合…というかは手組みの場合はリムガードがないとホイールが傷だらけになってしまいますのでリムガードとセットの物がいいでしょう。手組みではタイヤレバーとリムガードは3本ずつセットになっているものを選びましょう。

ビードクリーム

これはないと作業できません。実はなくても潤滑スプレーなんかでも代用できると言えばできるのですが、万一ビードがちぎれたり傷ついたりした場合に新品のタイヤが一瞬で廃タイヤになってしまうので、そういう手法は出先などの緊急時以外ではオススメできません。値段もそんなにしないので用意しましょう。

装着候補のタイヤサイズ

  • 2.50-18
  • 2.75-18
  • 3.00-18
  • 90/90-18
  • 100/90-18
  • 110/90-18

ホイールのリム幅は前後共に1.85-18なので同一サイズのタイヤは当然履けるものであると考えられます。しかし純正装着サイズではフロント側を若干細くしてあります。多くのバイクではフロントが細くてリアが太いの違和感はないのですが、逆にホイールのリム幅が同じであるという点が気になります。私は色々試した結果、前後90/90-18で落ち着きました。但し使用銘柄は前後で異なります。体格、乗り方、乗車頻度の違いによっても好みも分かれると思いますので、各サイズごとに見ていきましょう。

2.50-18

純正よりも細くなり、エアボリュームも少なくなるので、これを積極的に選択するメリットはありません。足つき性が改善するということが唯一のメリットになりますが、先にフロントフォークの突き出し量、シートのアンコ抜き、リアサスペンションを短いものに交換など全てやっても、どうしてももっと足つき性を良くしたいという方以外にはオススメできません。おまけにYBR125はかなりハッピーメーターなのですが、速度計の表示値は元より更におかしくなります。リアに装着することはもはやメリットがまったく見当たらず…あまり現実的な選択肢とは言えませんので考えないようにしましょう。

2.75-18

フロントの純正装着サイズ。このサイズをリアに履かせるメリットは90/90-18よりも若干外径が小さくなるのでシート高が下げられることと、若干加速が良くなることです。デメリットとして当然燃費は悪化することが考えられますが、普段からエンジンを回しきるような乗り方をしている人でもなければ早め早めのシフトで対応してしまえば燃費は変わらないかもしれません。フロントについてはこのままでいいんじゃないか?と思われるかもしれませんが、唯一にして最大の問題がそもそもタイヤの選択肢が少ないことなのです。海外製の聞いたこともないようなタイヤか、国産でもチューブタイプのタイヤしかほぼ見掛けませんので、チューブレス化しつつ、とお考えの場合は慎重に検討してください。というか2023年現在、チューブレスはチェンシン一択です。

メーカー  銘柄 前後 チューブ Amazon
IRC
井上ゴム
NF20 フロント チューブ
CST
チェンシンタイヤ
C910 フロント チューブレス
 TIMSUN
ティムソン
TS607 前後共通 チューブ
DUNLOP
ダンロップ
F18 フロント チューブ
BRIDGESTONE
ブリヂストン
G510 リア チューブ

3.00-18

フロントにこのサイズを履かせたらひと回りサイズアップします。スピードメーターの誤差が若干改善します。チューブは必要ですがハイグリップに魅力を感じる人にとってダンロップのTT100GPを履きたい場合はこちらが候補になります。

メーカー  銘柄 前後 チューブ 特徴 Amazon
IRC
井上ゴム
GS-11 フロント チューブ  
IRC
井上ゴム
NR21 リア チューブ  
DUNLOP
ダンロップ
TT100GP 前後共通 チューブ 定番

 

 

 

 

 

後編に続く。

タイヤ交換

私が乗っているYBR125のリアタイヤがすり減っていたので交換しました。チューブレスタイヤでの作業手順となります。YBR125について解説していますが他のバイクでも同じようなものですので、ここに手順を詳細に書いておきますので、ご自身で作業される方の参考になればと思います。

作業環境を用意する

  • 10mm
  • 12mm
  • 17mm
  • 19mm
  • プラスドライバー#2
  • プライヤー
  • ムシ回し(バルブコア回し)
  • ビードブレーカー
  • タイヤレバー(3本)
  • リムガード(3本)
  • ビードクリーム
  • 軍手
  • 潤滑スプレー
  • パーツクリーナー
  • ウエス(ボロ布などでも可)

作業開始

それではまずセンタースタンドを立てます。センタースタンドがない車種にお乗りの方はジャッキかレーシングスタンドを用意してください。写真は約20000km走行後のタイヤと新品のタイヤの比較です。こうして見ると中央部の溝がほぼないのは分かりきっていますが、元がこんなに溝が深かったことが分かります。

ドラムブレーキを外す

次にYBR125の場合はドラムブレーキですので、ブレーキペダルと繋がっているロッドとドラムカバーに繋がっているロッドを外します。ここは12mmのレンチがあれば外せます。カバー側はRピンが付いていますのでプライヤーなどで真っ直ぐにして抜いてから外しましょう。ディスクブレーキ装着車にお乗りの方はブレーキキャリパーをディスクから外すなどに読み替えてください。

 

チェーンカバーを外す

プラスドライバーでプラスチックのチェーンカバーを外しましょう。固着して外しにくい場合がありますので、ネジの頭をナメないように注意してください。

チェーンアジャスターを緩める

YBR125の場合は奥側のナットが12mm、手前側の押さえているボルトが10mmです。12mmを緩めると10mmが手でも緩められるようになります。この作業はスイングアームの左右両方でやる必要があります。錆や固着が原因で10mmのボルトが手で緩まなかったら潤滑スプレーを使用するか10mmのメガネレンチ、ラチェット、スパナ、プラスドライバーなんかを使用してみてください。ある程度緩めてタイヤを前に押したらチェーンが外せるようになりますので適当にスイングアームにひっかけるなどしておきましょう。地べたに下ろすとチェーンオイルで床が汚れますので注意してください。チェーンアジャスターは様々な方式のものがありますので、お乗りのバイクの構造を見て判断してください。

アクスルシャフトを抜く

左側が17mmのボルト(アクスルシャフト)、右側が19mmのナットになっています。YBR125の場合はここにロックピンはありませんのでそのまま17mm側を添えつつ、19mm側を回してナットを外します。写真ではモンキーレンチを使用している感じになっていますが、実際にはロングのメガネレンチで緩めてディープソケットのラチェットを使用しました。ナットを外すと左側にシャフトが抜けます。抜きにくいようでしたらそれはホイールの中心軸が抜く方向へ一直線になるように意識して手で支えながら抜き取りましょう。ホイールが車体から外れたら、スプロケットを落とさないように(落とすと歯が欠けたり曲がったりする可能性がある)手で外し、中のゴムの部品(リアホイールラバー、リアホイールダンパーラバー、スプロケットゴム、スプロケットダンパーラバーなど呼び方は様々)もタイヤ交換時に脱落するので手で外しておきましょう。

アクスルシャフトには左からチェーンアジャスター、短いほうのカラー、スプロケット、ホイール、ドラムブレーキ、長いほうのカラー、チェーンアジャスターですので、取り付け時に順番を間違えないようにしましょう。また、YBR125ではチェーンアジャスター自体に左右はないのですが、外側内側の違いはありまして、ワッシャーがくっついているように分厚くなっているほうが外側(アクスルシャフトのボルトやナットで締結される面)です。

ムシ(バルブコア)を外して空気を抜く

取り外したホイールに装着されているエアバルブキャップを外して、ムシ回しを使用し、中のムシ(バルブコア)を抜き取ります。この時、タイヤ内の空気が勢いよく抜けますので、ムシが吹っ飛んでどっかいったなんてことにならないようにムシ回しの根元を軍手してつまんでおさえておきましょう。なくすと後で大変なことになります…

ムシ回しは長いものだとホイールの中央部に当たるのでバルブ自体をちょっと曲げながら回す必要があります。短いものでしたらそのまま回せます。写真で使用しているムシ回しについては私は車用と共用で工具を揃えていますのでバイク専用品ではないということにご注意ください。

※ 以下、当ブログではバルブコアのことをムシと呼びます。

ビードを落とす

タイヤ内の空気が完全に抜けたら、次はビードを落とします。正直に言いますとバイクの…ましてや小型二輪のタイヤ程度なら踏みつけるとかでも外せちゃいますが、しんどいので私はビードブレーカーを使います。ホイールのリムギリギリにビードブレーカーの刃を合わせてレバーをゆっくり下ろすとビードが落ちます。これを全周、両面やります。専用工具があれば簡単です。

タイヤをホイールのリムから外す

ここでは写真を交えても作業の具体的なコツがイメージしにくいので時計の時間で向きを説明します。

まずはエアバルブを痛めないように、つまりエアバルブがある位置にタイヤレバーを差し込んで傷つけないようにするため、6時の位置(手前)にエアバルブがくるようにします。

11時、12時、1時あたりにリムガードをセットします。この時、後でリムにタイヤがひっかからずに抜けるよう、ビードの全周に潤滑スプレーを塗布しておきます。

タイヤの5時から7時のあたりの部分を足で踏んで、ビードがホイールの中に落ち込むくらいに下げます。

リムガードのところにタイヤレバーを差し込みます。全て一気には入らないので、12時→1時、12時のすぐ左から滑り込ませるように11時のほうへ、3本を使い分けながらビードをリムの外側に持ち上げます。3本入ったら真ん中のレバーを抜いてもう片方の足でレバーを踏んで押さえつつ、10時(右なら2時)の方向にリムガードを再びセットしてレバーを11時(右なら1時)のほうから滑り込ませるように入れて…以下繰り返しで全周の半分くらいビードが外側に出たらあとは手でもタイヤが外せます。奥側についてもホイールを返したりはせず同じ手順で繰り返してタイヤを抜き取ります。

新しいタイヤをホイールに組む

掃除する

ホイールからタイヤが外せたら、一旦綺麗に清掃しておきましょう。パーツクリーナーでブレーキダストやチェーンオイルの飛び散りを拭き取ります。タイヤが納まっている部分…特にビードのあたりに砂などが噛み込むとせっかく組んだ新しいタイヤからエア漏れが起きたり、最悪の場合ビードに傷がついてタイヤ自体が使い物にならなくなったりしますので綺麗にすることを心掛けましょう。

ビードクリームを塗る

組み付けるタイヤのビード全周にビードクリームを塗り込んでいきます。ビードクリームだけで確実に入れられるように、ケチらず塗っておきましょう。引っ掛かった状態で無理にタイヤレバーを力任せに引っ張ると、ビードがリムとの摩擦で切れたりすることがありますので、ケチらずに。

タイヤの回転方向と軽点を合わせる

ホイールの回転方向に注意しながら、一応軽点をバルブの位置に合わせます。軽点は本来国産タイヤでは黄色のマーキングなのですが、私が組んだタイヤは海外製のよく分からんタイヤ(しかもリピーター)なのでなんかよく分からん白い点のあたりをバルブ位置に合わせています。ユニフォミティーマークなんかそもそもないような気もしますが、そもそも125ccのバイクなんて細かいことは気にしなくてもいいような速度しか出ませんからね。気になるならお店でバランス取りまでしますよね。DIYメンテナンスなんてホイールバランスよりもお財布事情のほうが気になる人だけが自己満足でやればいいんですから

位置が決まったら組み付ける

バルブの位置は向かって6時の位置にします。6時のあたりからハマるところまで手で組み付けて、ホイールの中に入りにくくなったらタイヤレバーでビードをこじって組んでいきます。9時→3時→10時→2時→11時→1時くらいで完全にタイヤはリムの内側にハマります。組むときは踏みつけて体重を乗せる位置を6時から両足で9時方向3時方向へ進めていけば、タイヤレバーは2本でも組めます。少しずつ進めたら確実に入ります。ビードが引きちぎれそうなほど引っ張っているようならそれは踏んでいる部分のビードが上がっている(下げきれていない)ので足元からやり直しましょう。新品のタイヤは硬化もしていないので外す時よりも楽な筈です。

ビードを上げる

ビードが落ちた状態では、せっかく組んだタイヤホイールもまだ使えません。お金をかけないがモットーの当ブログ…私はこのままのタイヤホイールとムシとムシ回しを車に積んで近所のガソリンスタンドに行きます。ムシを入れていない状態のまま空気入れからエアを吹き込むと勢いよくポコーンと音が鳴ってビードが立ち上がります。おそらく4キロ(昔の人間なので4キロとか言っていますが現代の表記では400kPa)くらいです。一旦空気は抜けてもいいですし、慣れている方は空気が抜け切る前にムシを締め込みますが、ムシ自体がどっかに吹っ飛んでいったら手詰まりなので一旦抜け切るのを待ってもいいでしょう。

ビードが上がったらムシを締め込んで規定の空気圧までエアを入れたらタイヤホイールとしては完成です。

元に戻す

新しいタイヤホイールを車体に取り付けます。外したのと逆の手順で組んでいけばいいので簡単です。

余談ですが以前自分でやる時間がどうしてもなくてお店にリアタイヤ交換の作業を頼んだ時に何故か
「チェーンとドラムブレーキの調整はサービスでやっておきました~」
とか恩着せがましく言われたのを思い出しました。
緩めて外さないとタイヤ変えられないんだからやっていて当たり前だろ…と思ったのを思い出しながら作業しました。

 

 

 

 

 

それではまた!

YBR125の長所

まず、125ccなので任意保険のファミリーバイク特約が使えて経済的ということが挙げられます。これは他の125ccでも同じことです。

中古車流通価格が安い。下手したら原付より安い。下駄としても最適。但し前期型は旧車っぽい外観が人気なのか、ちょっと相場高めです。

カスタムパーツもそれなりにある。なのでカブ系モンキー系のようにガレージでコツコツとバイク弄りを楽しみたい方にも向いている。

125ccクラスで人気のスクーターと比較した場合、カウルがないのでメンテナンス性が良い。

リターン式のマニュアルトランスミッション。最近は都会的でスタイリッシュなスクーターが増えましたが、昔から単車に乗っているおっさんにはこっちのほうがしっくりきます。

ネイキッドモデルなのでタンクを挟んで乗車できるので走行時の安定感がスクーター等より高い。

燃費が良く(リッター市街地37~ツーリング42km前後)、燃料タンクも大きいので航続距離が長く、下道ツーリングに向いている。燃料タンクの容量の差ではカブ系より圧倒的に有利です。

車体が125ccクラスにしては大きくシートも分厚いので長時間長距離乗車でも疲れにくい。

フレームがダイヤモンド形式なので、よくあるクレードルフレームのネイキッド車と比較してかなり軽量。エンジンの前側だけ見ればどちらかというとオフロード系のように見えるのはデメリットか。

自分でメンテナンスができる人にとって、Amazonや楽天市場で消耗品の費用をかなり安く抑えることができる。ここで挙げる消耗品とはエンジンオイルやタイヤなどの汎用性のあるもののことではなく、クラッチワイヤー、アクセルワイヤー、エアクリーナーフィルター等の車種専用品がかなり安く流通していることを指しています。

YBR125の短所

当たり前ですが125ccなので高速道路に乗れない。これは他の125ccにも言えることですが、どうしても高速道路や自動車専用道路が使いたい場合はボアアップキットが豊富に出回っていますので解決できます。

自分でメンテナンスできない人にとって、並行輸入車の場合に正規ディーラーでのメンテナンスを断られる可能性がある。私は試しに問い合わせてみたところ、某所のY●Pにて実際に断られた経験があります。

ノーマルのヘッドライトは本当に夜間の峠や田舎道を走行するには恐怖を感じるほど暗い。LEDバルブに交換することで解決できます。

シートはボルト固定なのでシート下に収納スペースはまったくない。

メットホルダーがない。市販のものを追加するか、パニアケースで対処すれば解決できます。

ノーマルは前後チューブタイヤ装着。最初のタイヤ交換の際にチューブレスタイヤに交換することを強くお勧めします。ホイールはチューブレス対応なのでバルブのみ追加購入でチューブレス化できます。日本では前後18インチというのは少数派だが、世界ではそれなりに走っているようで実際はタイヤの選択肢は豊富にあります。

車種専用消耗品は安く手に入りやすいが、外装部品はなかなか流通しておらず、転倒には注意が必要です。万一破損した場合はほぼヤフオク頼みになります。

フルサイズネイキッドなので仕方がないのかもしれませんが、125ccクラスとしては足つき性が良いとは言えない。車重も排気量も異なりますので乗りやすさについて言及することはできませんが、バリオスやジェイドのほうが着座位置は低いです。大柄な方なら何も気にならないのですが、身長160cm以下くらいの方にとっては気になるかもしれません。これは全長の短いリアサスペンションに交換したり、分厚いシートをアンコ抜きすることで対処できますが費用はかかりますね。

前後同サイズのホイールなことと、ステップ位置が前寄りなので、見た目に反して乗り味はスポーツ系というよりもビジネスバイクのような感覚です。峠を攻めるような走り方をするとフロントフォークはすぐにフルストロークしてしまい、後輪が不安でムズムズします。ただ、リアサスペンションはフワフワ系ではないです。これは海の向こう側では3人乗りなどの使われ方もするであろうことを想定しているからかと考えられます。

左ミラーが見にくい。私が所有している中期型と後期型の両方で、何故か左側だけ拡大鏡になっていました。こんな小物も交換すれば解決できますが、ここに書き連ねているものを全て交換するとなると、もう少し車格が上の125ccも視野に入ってくるかと思われます。

後期型だけに言えることですが、キルスイッチがない。ヘッドライトのオンオフスイッチがあるのにキルスイッチがないというおかしなハンドル廻りです。中期型の右側スイッチボックスを流用+配線加工することで解決できます。私個人としてはハザードまではなくても困らないかなと思いますが、坂道(傾斜地)などで1速ギヤを入れたまま(クラッチを握ったまま)キルスイッチでエンジンを停止させて停車したい場面ってかなり頻繁にあるかと思いますでの、後期型の購入を考えている方はこれを改善するとかなり利便性が向上します。スクーターなどではあまり見ないパッシングスイッチはどちらにも付いています。

総括

並行輸入のキャブ車は値段も安く、ご自身でなんでも弄れる方にはとてもおすすめです。