YBR125の車両スペック
YBR125のスペック、主要諸元について触れます。ただし、スペックだけをただ書きつらねても、同じような内容はネットを徘徊していればいくらでも見つかりますので、実際に乗っている側の意見も含めて可能性を探っていこうと思います。
車名(製造メーカー名) | 中国ヤマハ(重慶建設雅馬哈摩托车有限公司)等 |
通称名(モデル名) | YBR125 |
車体型式 | RE052 |
フレーム | ダイヤモンド |
エンジン型式 | E399E型 |
エンジン | 空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒 |
内径×行程 | 54.0mm×54.0mm |
圧縮比 | 10.0:1 |
総排気量 | 123cc |
エンジン始動方式 | セルフスターター キックスターター有りのモデルも存在 |
最高出力 | 10PS(7.5Kw)/7800rpm |
最大トルク | 1.0kg-m(9.8N-m)/6000rpm |
エンジン潤滑方式 | ウェットサンプ |
クラッチ | 湿式多板 |
1速 | 2.643 |
2速 | 1.778 |
3速 | 1.316 |
4速 | 1.045 |
5速 | 0.875 |
ドライブスプロケット(前) | 14T |
ドリブンスプロケット(後) | 45T |
燃料供給方式 | フューエルインジェクションもしくは キャブレター |
乾燥重量 | 117kg(前期) 126kg(中期) |
装備重量 | 135kg(中期) |
全長×全幅×全高 | 1985mm×745mm×1080mm 1985mm×745mm×1100mm |
ホイールベース | 1290mm |
最小回転半径 | 2.1m |
最低地上高 | 160mm |
シート高 | 780mm |
スタンド | サイドスタンド/センタースタンド |
乗車定員 | 2名 |
駆動方式 | チェーンドライブ |
チェーンサイズ | 428/118リンク/クリップジョイント方式 |
変速機 | 常時噛合式5段リターン |
キャスター角 | 26.3度 |
トレール量 | 92.0mm |
サスペンション(前/後) | テレスコピック式/スイングアーム式 |
ブレーキ(前/後) | 油圧式シングルディスクブレーキ/ドラムブレーキ |
タイヤサイズ | 2.75-18 42P(チューブ) 90/90-18 57P(チューブ) |
ホイールサイズ | 1.85-18(前後同サイズ) |
燃料タンク容量 | 13L |
エンジンオイル容量 | 1.2L(交換時1.0L) |
オイルフィルター | なし |
バッテリー | YTX7L-BS |
YBR125のスペックを考察する
フレームについて
フレームは前期・中期・後期(この区分けについては以前のブログを参照してください)でほぼ同じです。
ほぼ、というのはエンジン、サスペンション、ステップ廻りの位置は同じなので使いまわしが可能だからです。
外装、シートは異なりますのでフレーム全部が同じということではない点には注意が必要です。
特に違うのはグラブバー(リアキャリア)周辺の取付位置で、グラブバー(リアキャリア)は使いまわし流用はできません。
エンジンについて
日本では滅多に見かけないYBR125ですが、このエンジンは世界中で走っていまして、実はカブ系モンキー系ダックス系のようなカスタムが楽しめるモデルなのです。同系列車両にYB125SP、XTZ125、競技モデルも含めればTY-S125、TT-R125があります。
ポジションがフルサイズのネイキッドのほうが好みだという人にとってはカブ・モンキー系よりもYBR125をオススメする理由はこの点に尽きます。
具体的にはAmazonや楽天市場で様々な種類のボアアップキットが販売されていますので、150cc程度から、180ccくらいまでお好みの排気量に変更することが可能です。より高回転を求める求道者の方にはハイカムシャフト付きのボアアップキットも出ていますし、エンジンオイルクーラーの取付用カバーなんかもあります。ただしボアアップに適性があるのはやはりキャブレターモデルのほうでしょう。インジェクターモデルのほうでマップの書き換えは現実的ではないとお考え下さい。但し、純正マップのままインジェクター自体を吐出量の異なるものに打ち換えてボアアップに対応するということはできますので、やり方次第ではインジェクターモデルでもボアアップは可能です。
インジェクターモデルについては分からないのですが、キャブレターモデルについてはエアクリーナーボックスの吸気口にブッシュともインシュレーターともリストリクターとも言える何のためにあるのか分からない部品がついているのでそれを外すことで高回転までスムーズに吹け上がる(要キャブ再セッティング)ようになります。なのでカタログ値の最高出力10psについてはあってないようなものなのです。寧ろ10psと書いてあるばかりに非力なマシンとしてお手頃な相場を維持しているとも言えそうです。GSX-R125と比較して一歩だけ譲る程度には加速できるようになります。
クラッチ・ギヤ比について
駆動系ではYBR125唯一の弱点であろうクラッチの容量不足が挙げられます。通常の使用では特に問題はないものの、高回転でのシフトを常用しているとクラッチディスクの早期摩耗が起こる可能性があります(どんな車種でも言えることなのかもしれませんが…)。良いようにいうと軽いので吹け上がりは良好なのですけどね……私はYBRで峠を攻めたりサーキットを走行したりしないのですが、必要性を感じる方はXTZ125用TY-S125F用TT-R125用などの強化品を流用することも検討に入れても良いかもしれません(私は特に不満を感じていないのでやっていませんが…)。
ギヤ比については高回転域での唸り音が気になる方が多いかもしれません。スプロケットを変更することで対応したいところなのですがオススメはドライブ側を14Tから15Tに変更することです。当然ですが多少加速感は落ちます。が、そこそこの勾配が続く道でも十分スムーズにギヤを繋いでいくことが可能且つ最高速が上がること、トップギヤ同士で同一速度なら静かになること、燃費は全域で良くなることが挙げられます。私が所有している中期型のほうは市街地走行ばかりの状況では平均リッター37km程度でしたが、リッター40kmは余裕になりました。たったの3kmではなく、長距離下道ツーリングではこの差がもっと顕著になってリッター45km近くまでいきますので、長距離乗車時の給油ポイントは確実に変わってきます。なので乗られている方は是非。
タイヤ・ホイールについて
タイヤは純正では元々チューブタイプのものが装着されていますが、ホイールはチューブレスに対応したものとなっています。
ネット上ではこのホイールのバルブ穴を少し削って…のような記述が散見されますが、危険なので絶対にやめましょう。
YBR125の純正ホイールは元々チューブレス対応(ホイールに刻印あり)なので、チューブレス用のエアバルブをそのまま装着できます。
おそらくそのようなことを仰っている方はバルブの装着が固くてできなかったために穴を拡張したものと考えられますが、元来チューブレス用のエアバルブはそういうものであると知っておくべきです。
バルブ装着のコツとしては梃子の原理を利用することで解決できます。走行中のタイヤから空気が一気に抜けるなど重大事故や命にかかわりますので自分でやりきる自信がなければショップで組んでもらいましょう。
18インチのタイヤでチューブレスを選べるようになると、タイヤの選択肢がひろがって様々な乗り味が楽しめるという最大のメリットがあります。
また、YB125SPはリアホイールが16インチなのですが、YBR125のホイールをポン付け流用できるそうです。ということは逆も可能ということですね。低く構えたドラッグスタイルのネイキッドを小型二輪で作るならもはやこれしかないでしょう。ギヤ比が大幅に合わなくなりそうなので私はやりませんが。
今後の方向性について
今回はスペックから見てとれることについて軽く触れる程度に留めますが、今後は各部位のメンテナンスや私が乗っていて気になった箇所の改善点などについて書いていきます。なにしろ流通台数が少ないうえにその大半が並行輸入車なYBR125なので、私自身の備忘録として、更にはメンテナンスの壁に当たった誰かの役に立つかもしれません。このブログを読んでくださる方がどれほどいらっしゃるのかは定かではありませんが、きっと現役のYBRオーナーか、現在手ごろな125ccバイクを探している方で次はYBRも候補な方だと幸いです。