百先神社 | ご近所の神社訪問記

ご近所の神社訪問記

近場の神社や、気になる神社の紹介です。
神社のいわれ、神様やそこに住んでいた昔の人などに思いを馳せてみます。たまに岩や石のことも紹介します。

百先(ももさき)神社

所在地

鳥取県鳥取市吉成1

祭神
猿田彦神、素戔鳴尊、保食神

氏神
百先大明神

補足
吉成の氏神百先大明神は蝮蛇を悪み玉ふに因みて此の里に昔より蝮蛇生せず。氏子他郷に出ても咬傷の患いなしとて諸人百先の神符を崇仰す・・・(因幡誌より)

ご近所の神社訪問記-百先1
美保小学校の前で、子供たちを見守る百先神社。


ご近所の神社訪問記-百先3
ずらりと並んだ灯篭に、崇敬の篤さが伺われます。


ご近所の神社訪問記-百先4
右奥にある、吉成神社。


ご近所の神社訪問記-百先6
僅かに残る竹藪。鳥取消防署の前。


ひと言
「ももさき大明神」とは、変わった名前の神様です。「もも」とつくのは因幡でこの神様だけのようです。地名では、「土師百井」「石田百井」「百谷」などがありますが。
また、『因幡誌』の伝承によると、この神様はマムシを憎んでいるとのこと。「ササ」が嫌いな神様の神社はいくつかありましたが、ここで嫌われているのは「マムシ」のようです。

この近くに市営美保球場があります。造成前は沼のようでした。低い土地なのかもしれません。昭和54年の台風では大呂川が決壊し、この付近一帯は浸水しています。<

今から70年ほど前の昭和18年9月10日、鳥取市を中心に震度6強の直下型地震が発生しました。この地震の被害は死者千人以上、市内の木造家屋はほぼ全壊でした。

なぜそれほどまでに被害が大きかったのかというと、鳥取平野の軟弱な地盤が原因の一つといえます。古鳥取湾への堆積により形成された鳥取平野は、海岸部にいくほど地下の基盤岩までの距離が深くなっており、国安付近で40m賀露付近で約100mだそうです。そのため、震度5強で液状化現象が起きると言われています。実際、鳥取大地震でも液状化現象は起こりました。

近年、市内には急激に高層マンションが建ちましたが、地震をどこまで想定しているのか疑問です。

昔、この辺りは大きな竹藪があったそうです。今、道路や宅地など、開発で僅かになってしまいましたが。
古老の話に、「昔、若い夫婦がどこからかやってきてこの竹藪に住み着き、かごなどを作っていた。しかし赤ん坊が生まれて泣き声が聞こえるまで、誰もそこに夫婦が住んでいることに気づかなかった。」というのがあります。それくらい広大な竹藪だったといいます。

竹は地中に根を張りめぐらせているため、昔の人は「地震が来たら竹藪に逃げろ」と言いました。
それが確かかどうかは別として、いざというとき後悔しないよう、今一度身の回りと、それに対する備えを確認してみてはどうでしょう。