【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第92回です。
佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。
【書き下し文】
『人は最(もっと)も当(まさ)に口(くち)を慎(つつし)むべし。口の職(しょく)は二用(によう)を兼(か)ぬ。言語を出(いだ)し、飲食を納(い)るる、是(これ)なり。言語を慎まざれば、以(もつ)て禍(か)を速(まね)くに足り、飲食を慎まざれば、以(もつ)て病(やまい)を致(いた)すに足る。諺(ことわざ)に云(い)う、禍(わざわい)は口より出(い)で、病は口より入(い)ると。』
《 言志録 189 》
【訳文】
「人は最も口を慎まねばならない。口は二つの職務を兼ね備えている。一つは言葉を話すことで、もう一つは飲食することである。言葉を慎まないと禍を招き、飲食を慎まないと病気になる。諺にもあるが、禍は口より出て、病は口より入ると。」
参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》
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口の機能には二種類あります。
それは「話すこと」と「食べる」ことです。
話すことは言葉を外に出すことですが、慎重に発さないと禍を招き入れてしまうことがあります。
食べることは食べ物を自分の体内に入れることですが、慎重に入れないと病気を引き起こすことがあります。
このように、口というのは外に発したり内に入れたりするなかで、自分をコントロールすることが求められる難しい機能だというわけです。
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話すのは
よく考えて
食べるのは
何度も噛んで
慎むが口
話すにも
食事するにも
必要な
我が身を守る
自律の心
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口は禍のもとでもあり
味わいのもとでもある
話すことや
食べることに
慎むめというのは
消極的になれと
いうのではありません
言葉を発する前に
頭の中でよく吟味すること
食事の時は
よく噛んで食べること
どちらも“咀嚼”することが
大切ですね
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本日も
ご覧いただき
ありがとう
ございます
【R050406】