【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第91回です。
佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。
【書き下し文】
『古往(こおう)の歴史は、是(こ)れ現(げん)世界にして、今来(こんらい)の世界は、是(こ)れ活(かつ)歴史なり。』
《 言志録 143 》
【語義】
『今来(こんらい)』… 現在と未来。
【訳文】
「現代社会は過去の歴史から成り立っており、これからの社会は我々が創る活きた歴史である。」
参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》
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私たちは過去を直接生きることができません。
過去は書物や記録などで見聞きし、間接的に知るだけです。
そして、私たちが生きている現代社会は、こうした過去から積み重ねられた歴史で成り立っています。
つまり、現代の社会は過去の集大成であるわけです。
一方で、これからの社会(現在から未来)は、今の私たちが創り出していくもので、さらに新たな歴史を築いていくことになるわけです。
歴史を築くというのは、レンガやブロックを積み上げていく作業に似ています。
ただ、どんなレンガやブロックをどのように築き上げたのか、はっきり目に見えて分かるものではありません。
積み上げているつもりが、ひょっとするとこれまで積み上げてきたものを壊してしまっているのかもしれません。
いずれにせよ、過去からよりよい未来につなげていくために、ただこの今を精一杯生きる、この言葉に尽きると思います。
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我々の
過去を築いて
生き様が
刻まれてゆく
未来の歴史
悲しみの
涙が浸り
喜びの
声を響かせ
歴史のレンガ
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生きているという
実感によって
歴史は
築かれてゆく
歴史は過去から未来を
つなげていく
人類社会の大切な
財産です
よりよいものに
していこうとする
不断の努力によって
築かれていくものです
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本日も
ご覧いただき
ありがとう
ございます
【R050401】