【中国古典を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第80回です。
ご覧いただきありがとうございます。
《菜根譚》からご紹介します。
【書き下し文】
『 横逆困窮(おうぎゃくこんきゅう)は、これ豪傑を煆煉(かれん)するの一副(いっぷく)の鑪錘(ろすい)なり。
能(よ)くその煆煉を受くれば、即(すなわ)ち身心(しんしん)交(こもご)も益(えき)し、その煆煉を受けざれば、即ち身心(しんしん)交(こもご)も損(そん)す。』
《 前集 127 》
【訳文】
「逆境や困窮の労苦こそ、その人を焼き鍛えるための溶鉱炉のようなものである。
その鍛錬をよく受ければ心身の両面に益があるし、受け損じると心身の両面に損害を被りだめになってしまう。」
参考文献:岩波文庫《菜根譚》、講談社学術文庫《菜根譚》
* * * * * * * *
逆境や労苦はその人を成長するために天から与えられた試練だとよくいいます。
試練を乗り越えれば心身ともに成長しますし、乗り越えられないと挫折感に打ちひしがれ、自暴自棄になってしまうこともあります。
しかしながら、天はその人が乗り越えられないような試練は与えないともいわれます。
こうした試練は、この世に生まれる前に自分が成長するために自分で決めてきたものだからです。
そもそも人は成長するというより、三次元の世界を体験するために生まれてきています。
このことは人生を体験することがすなわち成長することであり、苦難を乗り越えなければ成長できないというわけではないのです。
このようにとらえてみると、苦難も三次元の世界だからこそ味わえるものなのだと感じられるのではないでしょうか。
心理的な負担を軽減するうえでも
「乗り越えなくていい、ただ味わうだけでいい」
と考えてみてはいかがでしょう。
こうすることで、人生の苦難をうまく乗り越えていけるかもしれませんね。
* * * * * * * *
焼き鍛えられて
動じぬ
豪傑の
破れぬハート
崩れぬ大志
逆境は
人を鍛える
溶鉱炉
味わうことで
克服できる
焼かれても
我の思いは
燃やされぬ
心の炎は
火をも通さぬ
* * * * * * * *
燃やされてもがくよりも
自ら燃えて輝くのだ